国会傍聴を趣味にするタレントでスポーツ報知コラムニストの井上咲楽は、衆院選公示日の10月19日から約50か所の選挙区を巡った。
まず、街頭演説で印象に残った候補者には、立民・安住淳氏を挙げた。「今回、50か所近く見ましたが、演説がダントツで1番面白かった。最強街頭演説ランキング1位は、安住さんでお願いします。漫談ですよ!」と熱心にその様子を伝えてくれた。
さらに、井上の地元・栃木での、自民・茂木敏充氏のとある一面も印象に残っているようだった。
「壇上へ上がり、自分が話すタイミングでジャケットを脱いで、白のシャツになっていたんです。周りには、県議や市議の方がたくさんいるから、目立つんですよ」。
演説中には、有権者の出身地を聞いて、会話を広げコミュニケーションを取りながら行う参加型演説を展開していたようで、“魅せ方”のうまさが垣間見えたという。
関西を訪れた際には、日本維新の会の集客力に、驚きが隠せなかったようだ。「(投開票前に)1議席も取っていない兵庫で吉村洋文大阪府知事の応援演説を見に行ったんですけど、人がハンパじゃなかった…。バウムクーヘンのように層をなして足を止めるんです。期待を持たせるような話をされますよね」と振り返った。実際に維新は、前回の11議席から4倍近い41議席を獲得。大躍進を遂げ、自民、立民に次ぐ第3党までのし上がった。
東京・中野区の都立家政駅では、立民・鈴木庸介氏を直撃取材。街頭演説が終わり、頭を下げてそっと帰ろうとすると、井上の元へ鈴木氏が駆け寄り、感謝の言葉をかけられたことを明かした。「『今回来ていただいて、本当にありがとうございます。気をつけて帰って下さい』と言葉をかけてくださって驚きました。『応援してね』とおっしゃる政治家さんはよくいますが、鈴木さんの一言はとても人間味があるなと思いました」。
今回の取材を通じて、井上は候補者が訴える政策だけでなく、陣営の選挙戦略や、それぞれの人柄についても詳しく着目しているということに気づかされた。井上は、取材前には、選挙運動で配布されるビラを、1枚ずつ丁寧にファイリング。政治に対する熱量に驚き、思わず2度見してしまうほどだった。
世間の注目を集めた衆院選は終わったばかりだが、井上は既に、来年夏に行われる参院選に目を向けているのではないだろうか。(記者コラム)
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