【巨人】桑田真澄投手チーフコーチ 今年は「診察」で来年が「治療」制球力向上へメス

スポーツ報知
ブルペンで山崎友(手前)の投球練習を見る桑田コーチ(右)

 “ドクター桑田”が、投手陣再建へ尽力する。今季から投手チーフコーチ補佐を務め、選手との対話を大切にしながら現場に携わった。新体制では投手チーフコーチに就任。どのように投手陣を立て直すのか。

 「今年1年は見る、観察することをテーマにやってきた。チーフコーチということで責任も出てきて、来年はしっかり実行するといいますか。病院でいうと診察が今年で、来年が治療するということですね」

 チームは3位に終わり、CSも最終Sで敗れた。V奪回への課題は明確。一番に“メス”を入れる箇所は、自身も現役時代に抜群の実績があった「制球力」だ。

 「今年の結果だけじゃなく、去年もほぼ変わっていない。これから一生懸命やっていかないと大変なことになるな、と数字から見て思っています」

 今季の防御率は3・63とリーグ4位。与四死球は520で、最下位・広島の528に迫る5位。1試合平均の与四死球率も3・74で、広島の3・79とほぼ同じだった。球団が解析したデータでは「ストライクゾーン率は12球団で最下位だった」という。どんなにいいボールを投げても、打者を抑えるにはゾーン付近での勝負が必須。完投するにも制球力が不可欠になる。

 「ストライクとアウトは(試合が)前に進む。ボールとセーフは全然進まない。ストライクが取れないと完投できない。ゾーンの中に投げる力と、ボール球を振らせる力。それもコントロール。ホームベース前のワンバウンドなんて誰が振りますか? ストライクゾーンからボールに落とす変化球じゃないと(打者は)食いついてこない。そういった意識づけをしていきたい」

 制球力向上のため、今春のキャンプから傾斜で投げることを勧めてきた。課題をつぶさないとV奪回は見えてこない。桑田投手チーフコーチがどのような“治療”を行うのか、手腕に注目が集まる。(玉寄 穂波)

 ◆制球力こそ生命線 決して長身ではない桑田コーチがPL学園時代から巨人入団後もエースとして活躍できた理由は、抜群の制球力にあった。幼少期に父・泰次さんとキャッチボールをする際、ミットを構えたところにボールがいかないと捕ってくれないため、必死に鍛錬。内外角、高低を問わず自在に投げられるコントロールが身についた。「ストレートのキレ、制球力を磨くことがエースへの条件」が持論。パイレーツ時代の同僚も、その制球力には舌を巻くほどだった。

 ◆桑田コーチに聞く

 ―選手と接して感じたことは。

 「今は何でも情報を取れる時代。情報を見てできたつもりでいるが、できていないところも多い。しっかりとできるように治療していけたら」

 ―チーフコーチとして、どのようなプランを。

 「他のピッチングコーチ、バッテリーコーチと協力してやっていきたい。誰が上とかじゃなく横一線だと思っている。学ぶことがたくさんあるし、僕も彼らに伝えること、教えることもたくさんある」

 ―ストライクゾーンで勝負することが何よりも大事。

 「ピッチャー陣の目的は打者を打ち取ること。回転数、回転効率がすごくいいかは関係ない。狙ったところに投げるコントロール、ボールをできるだけ打者に見せないとか、打者の近くで曲がる変化球を身につけてもらいたい」

 ―コーチを経験して感じた楽しさ、難しさは。

 「やっぱり野球は楽しい。もう一つ、勝負の世界は厳しい。スポーツは楽しむものだと思っている。うまくないと(野球を)楽しめない。打たれてばっかりじゃ楽しくない。抑えるから楽しい。楽しむためにも、うまくなってもらいたい」

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