【巨人】投打けが人続出も若手台頭せず…連載「V逸の理由」<中> 

7月10日、阪神戦の1回に死球を受けうずくまる梶谷
7月10日、阪神戦の1回に死球を受けうずくまる梶谷

 7月10日の阪神戦(甲子園)。梶谷が右手甲に死球を受けた。骨折と診断されて翌11日に登録抹消。5月に坂本がヘッドスライディングで右手親指、6月に吉川が死球で左手中指を骨折したのに続き、3か月連続で主力野手が骨折で離脱となった。球団関係者は「またか…」と肩を落とした。

 今季は投打ともに主力選手が相次いでけがで離脱した。6月、東京Dでの試合日のことだった。報道陣が入れない練習前の時間に神社から担当者を招き、グラウンドに祭壇を立て、首脳陣や選手参加で、おはらいをした。神頼みするほど異例のけが人の多さだった。

 苦しい状況でもチームは全員でカバーしながら戦った。前半戦は首位と2ゲーム差の2位で折り返し。その後も好位置をキープしたが、優勝争いを突き抜けるまでには至らなかった。主力の離脱は若手からすれば大きなチャンスであるが、チャンスをつかみきれた選手は極めて少なかった。

 新人王の条件として「プロ5年目以内で前年までに投手は1軍で30イニング以内、野手は1軍で60打席以内」という規定がある。今年のルーキーも含め、昨年まで過去5年間のドラフト指名選手(支配下)でこの「通算30イニングもしくは60打席」を超えた選手の割合を見ると、巨人は34人中13人で38%。セ6球団の中で唯一、50%以下と極端に低い数字となっている。

 現在はネットや動画などで様々な情報を得られる時代だ。ただ、そこには若手の成長の妨げになる危険性も潜んでいる。プロ野球で豊富な経験を持つファームのコーチが助言をしても「いや、僕はこうなんでいいです」と全く聞く耳を持たない若手もいたという。ある球団関係者は「助言を全て取り入れる必要はないし、試してみて自分なりにアレンジすればいい。でも、実績がないのに試しもせず、変な軸を持っている選手がいる」と嘆いていた。

 編成の根幹であるドラフトが結果に結びつかず、若手の台頭という長年の課題が解消しきれなかったチームは勝負所の9月以降に急失速した。(特別取材班)

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