【巨人】新外国人、FA、新人…総崩れ 連載「V逸の理由」<上> 

7回2死一、三塁、空振り三振に倒れたスモーク
7回2死一、三塁、空振り三振に倒れたスモーク

  巨人の2021年は、クライマックスシリーズ(CS)最終ステージ(S)でヤクルトに1分け3敗(アドバンテージ含む)で敗れ、幕を閉じた。レギュラーシーズンでは、61勝62敗20分けの借金1で3位と苦戦した。リーグ3連覇を狙った原巨人の敗因、誤算は―。全3回連載の「V逸の理由(わけ)」で迫る。

 10月12日の阪神戦(東京ドーム)。スタメンが発表された時、ある球団関係者が指摘した言葉が、巨人が抱えた明確な“課題”を表した。「昨年と名前が変わってないよね」。その試合に敗れ、リーグ3連覇が消滅した。

 10月23日、今季本拠最終戦を終えた後、山口寿一オーナーはくしくも「戦力の補強に失敗したのが大きな要因だった。今年に関しては去年から戦力の上積みが全くできていなかった」とV逸の原因を分析した。

 昨季最下位から優勝を果たしたヤクルトは新助っ人のサンタナ、オスナが機能してスタメンが固定化され、安定した打力につながった。前半戦を独走した阪神も助っ人陣が活躍した。巨人も野手では移籍2年目のウィーラーが孤軍奮闘したが、最も即効性が期待できる助っ人補強が、いずれも不発に終わった。テームズ、スモーク、ハイネマンと今年新入団となった選手はいずれもシーズン途中帰国という異例の事態となった。

 理由はさまざま。デビュー戦で右アキレスけん断裂の不運に見舞われたテームズは、来日が3月下旬までずれ込んだ。キャンプを送れず、約10キロのオーバーウェートでの来日を不安視する声が的中してしまった。スモークは当初から希望していた家族の同伴来日がかなわず、悩みを募らせた。ハイネマンも米国で常時服用していた薬がアンチドーピングの関係で日本では飲めず、体重が著しく減少したと指摘する声もある。

 コロナ禍が招いた悲劇と言えるが、遠因には球団の体制にもある。球団は昨年末から、駐米スカウトを置いていない。長く渉外担当を務めたスタッフも、獲得を目指していた外国人を逃した責任を問われて今季途中に球団を去るなど、マンパワーが不足した。6月には米国内にOBスカウトを設置したが、本職ではない以上、移動を伴う視察はできなかった。コロナ禍のため日本からの派遣もできず、新助っ人3人は、過去に作成したリストを参考に映像でチェックして決めたもの。当然、本人との面談も行ったが、例年ほどの深い調査までは至らなかった。

 FAでの補強も機能せずに終わった。梶谷は開幕から左太もも裏痛、右手甲の骨折、腰部のヘルニアと度重なる故障に泣かされ、出場61試合にとどまった。ローテ入りが期待された井納に対する首脳陣の失望は、さらに大きかった。開幕前、3月15日のG球場での練習中、グラウンドへ通じる階段を下りる中でわざわざジャンプして飛び込み、入り口の鉄柵に自ら頭をぶつけて8針縫う裂傷を負った。

 FA選手として自覚を問われる事態に、原監督も「恥ずかしすぎる」と詳細を明かせなかった。調整遅れにつながり、結局1軍での先発は3月31日の中日戦(バンテリンD)のみ。FA移籍した投手では最短の1回0/3、4失点で降板、即2軍落ちした。長く1軍からはお呼びがかからず、イースタン最多失点投手という結末はさみしすぎる。

 新人でも、ライバル球団では栗林、牧、佐藤輝、中野ら多くのルーキーが活躍する“当たり年”となった中で、即戦力として期待された平内、伊藤優、山本の大学・社会人組が結果を残せず、戦力を底上げできなかった。原監督がチームのかじ取りに苦心する中で、主力選手にも誤算が生じた。(特別取材班)

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