駿河台大の31歳「中学校教師ランナー」今井隆生が箱根激坂王決定戦で苦戦 徳本一善監督「このままでは今井を外します」

スポーツ報知
箱根激坂王決定戦で苦戦した今井隆生はゴール後、富士山をバックに苦悶の表情を浮かべた

 「激坂最速王決定戦2021@ターンパイク箱根」の登りの部(13・5キロ)が13日、神奈川・小田原市スタート、湯河原町ゴールで行われ、青学大時代に箱根駅伝5区で活躍し「3代目・山の神」と呼ばれたプロランナーの神野大地(セルソース)が51分2秒の大会新記録で圧勝した。

 学生の中では、今年の箱根駅伝5区で区間8位だった国学院大の殿地琢朗(4年)が52分39秒でトップ。神野と1分37秒差の全体2位と好走した。日体大の吉冨純也(2年)が53分3秒で3位、駒大の大坪幸太(3年)が53分14秒で4位に続いた。前回優勝の創価大・三上雄太(4年)は53分31秒で5位だった。

 今大会の登りの部はアネスト岩田ターンパイク箱根の小田原料金所をスタートし、箱根大観山口にゴールする13・5キロ。標高差981メートルの「激坂」だ。国道1号線を走る箱根駅伝5区は小田原中継所から16・2キロの最高点まで標高差840メートルを駆け上がり、残り4・6キロを下るため、実際の5区コースとは異なるが、同じ箱根の天下の険。上りの走りの適性を見極めることができる“仮想5区”だ。

 今大会には、箱根駅伝5区を見据え、箱根駅伝出場校も多く参加。初出場する駿河台大の31歳「中学校教師ランナー」今井隆生(4年)も出場したが、59分35秒で全体36位と苦戦した。「まだまだ力が足りません」と厳しい表情で話した。

 埼玉県の中学校体育教師だった今井は昨年4月「自己啓発等休業」制度を利用し、心理学部3年に編入学した。「担任クラスの中で悩みを抱えた生徒がいましたが、力になってあげられなかった。もっと生徒に寄り添える先生になりたいと思った」今井は学業に励む一方で、自身の中学生時代からの夢だった箱根駅伝出場を目指し、駅伝部で10歳ほど年下のチームメートと練習に打ち込んだ。

 ハーフマラソン(21・0975キロ)を一斉スタートし、各校上位10人の合計タイムで競う箱根駅伝予選会で駿河台大は8位で突破し、悲願の初出場を決めた。しかし、その一方で今井は1時間5分53秒で全体205位、チーム10位と本来の力を発揮できなかった。

 この日、徳本一善監督に志願して、激坂最速王決定戦に参加したが、他校の5区候補選手に大きく後れを取った。「30代の部」では2位だが、今井が戦うべき相手の「29歳以下の部」では35位相当。全体で36位だった。「4キロくらいから体が動かずに足が止まりました」と率直に話した。

 予選会、激坂最速王決定戦と2戦続けて、苦戦した今井に対し、徳本監督は「このままでは今井を箱根駅伝10人のメンバーから外します。箱根駅伝はそんなに甘いものではない」と厳しく話した。

 法大時代、箱根路を沸かせた徳本監督は、箱根駅伝本番に向けて危機感を持っている。「予選会突破のために、選手は、この1年、努力に努力を重ねて頑張ってきた。なので、ある意味、仕方がない部分もあるのだけれど、今井を含めて気持ち的にゴールしてしまっている選手がいる。そのことに本人が気が付くか、どうか。それが分かれ目になるでしょう」。指揮官は期待しているからこそ、今井に厳しい言葉を投げかけ、奮起を促した。

 箱根駅伝まで、あと50日。「魂の走り」を持ち味とする31歳、今井隆生が正念場を迎えた。

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