◆2021JERA クライマックスシリーズ セ 最終S第3戦 ヤクルト2x―2巨人=規定により9回表終了で引き分け=(12日・神宮)
巨人がヤクルトと引き分け、21年シーズンが幕を閉じた。3回に坂本が最終ステージ(S)チーム初得点となる先制中犠飛を放つも、7回に中川が青木に逆転打を浴びた。8回に追いついたが勝ち越しには至らず、規定により9回表終了コールドゲーム。ヤクルトはリーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて3勝1分けとし、6年ぶり8度目の日本シリーズ進出が決まった。スポーツ報知評論家の高橋由伸氏は巨人・松原の未来を見据え、さらなる奮起に期待を込めた。
本物のレギュラーになってほしいから、松原にはどうしても言いたい。4回無死二、三塁。ここでの絶対NGは、三振だ。
ヒット以上を打って点を奪い、ビッグイニングにしてくれたら最高だろう。最低限は前に飛ばすこと。例え凡打で得点できなくても、一、三塁で状況は変わるし、三塁走者が大城から広岡に入れ替わることで攻撃のバリエーションは増える。次打者メルセデスにセーフティースクイズもありだろう。これが三塁走者・大城では脚力の都合上、厳しい。松原は、何かを動かす役割があったはずだ。
CS最終ステージ2試合で8打数無安打と打てていない。この日、1番から8番に降格したことで、結果を残したいのは分かる。でも、1ボールから低めのボール球を振るあたり、気持ち先行の野球になっている。今年は27試合連続ヒットを記録するなど飛躍のシーズンだった。パンチ力がついて率も残せる打者になった。吉川と共に巨人の看板になれる選手なのだから、もうひと皮むけてほしい。
そもそも、この4回表は注目していた。2回途中から登板した金久保を続投させたが、私は「3回で代えるべき」と感じていた。高津監督にとっても原樹理の降板後のゲームプランは悩ましいところだった。負けて流れを悪くしたくないし、でも、中継ぎのムダ使いもしたくない。高津監督は続投を選び、金久保に懸けた。不安定な中でも0点に抑えたことで“高津プラン”に兆しが見えた。逆に巨人の拙攻は、後の苦しい展開を招いてしまった。(高橋 由伸)