【明日の金ロー】映画は静かに見るだけが正解ではない 観客の意識を変えた「アナと雪の女王」

スポーツ報知
姉妹の強い絆と愛が描かれる「アナと雪の女王」のアナ(左)とエルサ(C)2013 Disney.All Rights Reserved

 12日の金曜ロードショー(後9時)は、26日にディズニー映画「ミラベルと魔法だらけの家」が公開されるのに合わせ「アナと雪の女王」(2014年)が本編ノーカットで放送される。

 触れたものをすべて凍らせてしまう力を持つ女王・エルサは、自らの力をコントロールできず、王国一面を雪と氷の世界にしてしまう。王国を元の姿に戻すため、エルサが閉じこもる雪山へ向かう妹のアナ。その中で、それぞれが心の中に持つ「真実の愛」に目覚める―と、今さらストーリーを紹介する必要もないだろう。前年秋に全米公開されて大ヒットされたのを受け、日本でもロングランを記録。興行収入255億円は歴代4位、海外作品では、「タイタニック」(1997年、262億円)に次ぐ2位となっている。

 ヒット最大の要因は、これまた説明はいらないと思うが楽曲の力。吹き替え版で松たか子が歌った「レット・イット・ゴー~ありのままで~」をはじめ、「雪だるまつくろう」「生まれてはじめて」など、どれも珠玉の名曲ばかり。サビだけであれば、今でも口ずさむ事ができる人が多いはずだ。そして、この楽曲の力が、国内での映画の鑑賞方法を変えるきっかけになったと記者は考えている。

 公開当時、一部の映画館で限定上映されていたのが、「みんなでうたおう」版。これは、歌のシーンになるとカラオケのように歌詞が字幕で映し出されるというものだった。キャラクターに合わせ、観客も一緒に歌おう―という試みは、リピーターを中心に話題となった。

 それまでも、インド映画ファンの間では上映される際に歌ったり踊ったりしながら自由なスタイルで楽しむ「マサラ上映」が知られていた。だが、一般的な感覚としては「映画館は静かに作品を楽しむ場所」だろう。それを打ち破る「みんなでうたおう」版は、画期的な取り組みだったといえる。

 他人の目を気にする傾向がある日本人には合わないとの評もあったが、静かに見たい人は通常上映を見ればいい。選択肢はいろいろあった方がいいと思うし、ちょっと意味合いは違うものの、近年の4D上映や音響にこだわった上映など、一つの作品を様々なバージョンで思い思いに楽しむという考え方の”原点”にもなっているのではないか。

 「劇場内が一体となって盛り上がる」という意味では、私が印象に残っているのが「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年)のワンシーンだ。集団就職で東京に来た六子(堀北真希)が、休みに故郷の友人と一緒に映画館で「嵐を呼ぶ男」を見るのだが、スクリーン内の石原裕次郎さんと笈田敏夫さんのドラム対決に劇場は大熱狂。拍手や歓声が上がる。「映画ってこうやって楽しむのもいいな」と感じたものだった。

 ということで、12日の夜はテレビの前で、「ありの~ままの~」と思う存分声を出しながら楽しんでみては。(高柳 哲人)

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