「あんた死ぬわよ」の“決めぜりふ”で知られ、テレビ番組に多数出演して「視聴率の女王」と呼ばれた人気占い師の細木数子(ほそき・かずこ)さんが8日朝7時に呼吸不全のため東京都内の自宅で死去していたことが10日、分かった。83歳だった。告別式は近親者・家族のみで行う。お別れの会は14日午後6時から、東京都港区南青山の梅窓院で行われる。
娘のかおりさんはこの日、報道陣の取材に応じ、「眠るように、これから起きてくるのではと思うくらい穏やかに眠りにつきました。最後は家族全員でみとりました」と涙ながらに話した。呼吸不全による突然の別れで、「今まで肺炎などはあったが乗り越えてきた。今回も少し熱が高いくらいで点滴を打って治ると思った。まさか亡くなるなんて」。かおりさんが容体を聞いた時の「大丈夫」の言葉が数子さん最後の言葉だった。
細木さんは常々「病院で逝くのは絶対に嫌だ」と話していたという。かおりさんは「施設にも入れないでほしいと。お金と地位があっても、最期に1人は寂しいって。母は波乱万丈な人生を送ったが、望みは全てかなえて逝ったと思います」。穏やかな最期に胸をなで下ろしていた。
人気絶頂期の08年3月に、全てのレギュラー番組を降板。「引き出しが空っぽ。身辺整理したい」「好きな遊びもできなくなった」などと理由を語り、表舞台から身を引いた。その後は、勉強会や会員制のインターネット番組「細木数子TV」などで活動を続けていたが、かおりさんは「80歳を区切りに全ての仕事は辞めていた。自由に、スケジュールに縛られない生活がしたかったといっていた」と明かした。
数子さんが編み出した「運命を読む六星占術入門」はこれからも引き継がれる。かおりさんは「あそこまで偉大になれるかは分からないが、意志を引き継ぎたい。テレビのイメージが母にはありますが、人の幸せを思う優しい人でしたから」と、母の魂を継承することを誓った。