【こちら日高支局です・古谷剛彦】ホッカイドウ競馬にも光あてたマルシュロレーヌのBC制覇

スポーツ報知
8月のブリーダーズゴールドCを制したマルシュロレーヌ(右)

 ラヴズオンリーユーがブリーダーズCフィリー&メアターフ、マルシュロレーヌはブリーダーズCディスタフを優勝。特にマルシュロレーヌの勝利はグリーンチャンネルの中継内で、解説の合田直弘さんが「事件ですよ!」と笑みを浮かべながら話すほどの出来事で、すごいとしか言いようがない。

 日本のホースマンは凱旋門賞への思いが強い一方、途切れながらもブリーダーズCへの挑戦は行ってきた。ただ、天皇賞・秋と同時期のため芝のレースへの超一流馬参戦は少なく、期待を抱かせる挑戦はフィリー&メアターフのレッドディザイア(10年4着)とヌーヴォレコルト(16年11着)ぐらいだったと思う。海外競馬に詳しいメディア関係者には、アメリカの芝なら超一流馬が少なく、凱旋門賞以上にブリーダーズCは日本馬の優勝機会があると話す人は多かった。挑戦してきた頭数を考えれば、ラヴズオンリーユーの挑戦に感動し、しかも直線の短いデルマーで混戦を断つ末脚を見せた走りには、鳥肌が立った。

 そして、マルシュロレーヌ。ダートの本場、しかもブリーダーズC創設時からあるディスタフを制した意義は、日本競馬にとって計り知れない快挙と言える。凱旋門賞と比較すれば、38回目のブリーダーズCは歴史は浅い。しかし、確たる地位を築き上げるスピードは速く、凱旋門賞に匹敵するビッグレースをダートの本場で日本馬が制したうれしさは、長く競馬を見てきた者として非常に大きい。

 父ステイゴールドと、母の父メジロマックイーンの結晶であるオルフェーヴルと、桜花賞馬キョウエイマーチを母に持つヴィートマルシェから生まれたマルシュロレーヌ。日本競馬が育む血が本場のブリーダーズCを制したことにも、競馬が血のドラマであることを改めて感じる。マルシュロレーヌの快挙の際、前走がブリーダーズゴールドC勝利だったことも伝えられ、馬産地・日高で行われたビッグレースにスポットライトが当てられたこともうれしい限りだった。

 ブリーダーズゴールドCは14年から牝馬限定となり、交流G3に格下げとなった。JBCレディスクラシックを目指す上では重要なレースだったが、国内のダート重賞ではなく、優勝馬が世界へ飛び立つレースになろうとは、夢にも思わなかった。左右の回りの違いはあるが、デルマーと門別の1周距離はほぼ変わらず、直線の長さも似ていた。札幌記念から凱旋門賞に向かう馬がいるように、マルシュロレーヌの優勝は、新たなローテーションを生む可能性を感じさせてくれる。ホッカイドウ競馬にとって、思いもよらぬPRができた。

 そのホッカイドウ競馬は4日で今年の全82日間の日程を終了した。先週の段階で500億円超えは確定的だったが、前年を上回ることができるかは、JBC2歳優駿、道営スプリント、道営記念の3重賞がどれだけ売り上げを伸ばすかにかかっていた。JBC2歳優駿は2年連続で9億円を突破。道営スプリントは約2億7000円、道営記念は約3億5000万円と、3重賞で約16億円を売り上げ、年間売り上げは522億9969万2470円と、前年比約2億5000万円増で閉幕した。

 JBC2歳優駿は、中央馬アイスジャイアントが豪快に差し切ったが、地元のナッジとリコーヴィクターも差なく続き、意地を見せた。JBC2歳優駿の取材を終えた報道陣がおのおのの仕事をしている中、金沢のJBCクラシックでミューチャリーが直線に入る時には、記者席で「(鞍上))吉原(寛人)がんばれ!」の大合唱。先頭でゴールを駆け抜けた時は、拍手が沸き起こった。

 ブリーダーズCを範として始まったJBC。2歳カテゴリーができ、門別から離れられなくなった。しかし、このような瞬間にいると、2つの競馬場が一つとなり、現場の金沢とは違う感動があった。ホッカイドウ競馬の総括は、また改めて書きたいと思う。(競馬ライター)

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