【巨人】亀井善行がベテランになってから華を咲かせたワケ…けがに苦しんできた男が先輩の言葉で変身

スポーツ報知
10月23日に行われた引退セレモニーでファンに手を振る亀井善行(カメラ・中島 傑)

 亀井善行選手が現役引退を表明した。決断した一番の理由は「軸足の左、股関節のけが。内転筋3個所の肉離れを発症し、マヒ症状が出た」とのことだった。

 よっぽどの痛み、辛さなのだと思う。なぜなら亀井には、ある時から、ちょっとやそっとのことで引き下がらない、ある「力」が備わっていたから。

 2017年の春季キャンプ、亀井は2軍スタートだった。前年に下半身の故障もあって66試合の出場にとどまった男に、当時の高橋由伸監督がマイペース調整を許した形だった。

 2軍が練習を行う、宮崎総合運動公園内のひむかスタジアムで、若手に混じっていた亀井。そこで教えてくれたことがあった。

 「身体がビビっているんですよ、けがしたくないって。けがによって、なかなか思い切ったことが出来ない。そんな時に、相川さんから『鈍感力』っていうのは大事やぞ、って言われて」。

 それまで幾多のけがに泣いてきたからこそ、誰よりも敏感に、体の異変に気づいてしまう。現1軍バッテリーコーチで当時は選手だった先輩、相川亮二のアドバイスを胸に、変わろうとしていた。

 その話を聞いた時、オフには球団に背番号「9」を返すことを考えていたことも教えてくれた。背番号が「35」から「9」に変わった2009年に、自身最多の134試合に出場し、打率2割9分の活躍、ゴールデングラブ賞も受賞。だが、そのあと2016年まで、連続で100試合以上出場したことはなかった。

 「毎年、半年ぐらいしか1軍にいないし」チームの主力を意味する1ケタの番号の重みを感じていた。ただそんな亀井の折れそうな心を救ったのは、ファンの存在だった。「背番号9の僕のユニホームで応援してくれる人がたくさんいる。そう簡単に、番号を返上できないなと。もうちょっと頑張ろう、と」。

 そしてこの2017年、35歳というベテランの域に入ったシーズンから、自身キャリア最長となる3年連続100試合以上の出場を果たした。けがの怖さに負けない、痛みに過敏に反応しない「鈍感力」が、間違いなく亀井に備わった証だった。

 亀井は引退セレモニーで言った。「背番号9、今シーズン限りで引退します」。一度は返すことまで考えた背番号が、自分の代名詞となったことを誇りに思っている男がそこにいた。亀さん、本当にお疲れさまでした。(柳田 寧子)

巨人

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請