【駅ペン】駒大・大八木監督「オレにはな、天下取りの手相があるんだ」…両手の中央に「ますかけ線」

駒大・大八木監督の手相。両手には、真横に一直線に伸びる「ますかけ線」がある
駒大・大八木監督の手相。両手には、真横に一直線に伸びる「ますかけ線」がある

◆学生3大駅伝第2戦 全日本大学駅伝  (7日、名古屋市熱田神宮西門前スタート、三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前ゴール=8区間106・8キロ)

 駒大が5時間12分58秒で2連覇を果たし、史上最多14度目の日本一に輝いた。エースで主将の田沢廉(3年)が7区区間賞の走りで4位からトップへ浮上。アンカーの花尾恭輔(2年)は、青学大・飯田貴之主将(4年)に追いつかれるも史上最小差の8秒差で振り切った。主力を複数欠いたが、3大駅伝最多勝を「24」に伸ばし、来年の箱根駅伝V2に向けても実力を見せつけた。(気温14・4度、湿度82%、北北西の風1・5メートル=スタート時)

 沈んだ、弱々しい声に耳を疑った。

 「順大はどうだい?」

全日本大学駅伝上位6校の順位変動
全日本大学駅伝上位6校の順位変動

 レース前日(6日)、名古屋市内で最終調整を行う駒大メンバーを見ながら、大八木監督は私の母校の調子をたずねた。5位に終わった出雲駅伝以降、元気のなかった指揮官に「(順大)三浦(龍司)も元気で良い感じです」と返すと、意外な言葉が飛び出した。

 「じゃあ、順大に勝ってもらわないとなあ」

 狙って勝ちにいくのが常勝軍団。その勝利を捨てたかのような言葉だった。主力の不在に加えて影響していたのが、選手の自己記録と強さがかみ合っていないこと。「それじゃあダメなんだよなあ。何とか耐えて耐えて…」。まるで自分に言い聞かせるようだった。

直近10年の3大駅伝優勝校
直近10年の3大駅伝優勝校

 控えめな「3位以内」という目標には、もちろん「優勝」も含まれていた。ただ、過去13度の全日本Vと今回の優勝は決定的に違う。「いつもは勝とうとして勝った。今回はチャレンジャー」。区間登録時点から、王者ではなく挑戦者の姿勢は見え隠れしていた。実際、4人が駅伝デビュー。好走か凡走かブレーキか―。頭には不安があふれていた。

3大駅伝優勝回数5傑
3大駅伝優勝回数5傑

 そんな時、私はふと春先の取材を思い出していた。雑談から何かの拍子に「オレにはな、天下取りの手相があるんだ」と自慢げに話してくれた。両手の中央、真横に一直線に伸びる手相。片手だけでも珍しい「ますかけ線」というもので、強運の持ち主だという。「織田信長とか豊臣秀吉にもあったんだ」。なすべきことをなした上に、運命まで味方につける。そんなまさか―。不思議な予感は、これ以上ない形で的中した。

 いつもは厳しい闘将も、この日は「子どもたちを褒めたい」と目を潤ませた。万全ではないからこそ、細部までこだわり、ぬかりない準備をして隙をつくらなかった。そして、引き寄せた勝運。“持っている”とはこのことなのだろう。だからこそ、今年何度も大八木監督と語り合っている「先頭で(駒大と順大の)紫紺対決しよう」という“夢”が、箱根路でもかなうかもしれない。(順大元駅伝主務、箱根駅伝担当・太田 涼)

駒大・大八木監督の手相。両手には、真横に一直線に伸びる「ますかけ線」がある
全日本大学駅伝上位6校の順位変動
直近10年の3大駅伝優勝校
3大駅伝優勝回数5傑
全日本大学駅伝成績
すべての写真を見る 5枚

スポーツ

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請