J2甲府が伊藤彰監督(49)に続投のオファーを出したことが7日、わかった。来季に向けた指揮官の決断に注目が集まる。7日のアウェー北九州戦で1―0で3試合ぶりに勝利。現在は4位でJ1昇格圏の2位京都とは勝ち点差8と昇格は厳しいがクラブは戦術の構築や求心力などを高く評価したようだ。
開幕前に昨季所属選手から10人以上の選手が退団したが、伊藤監督は英プレミアリーグのマンチェスターCで指揮を執るグアルディオラ監督(50)らが取り組むオフェンスで優位性を作り出す「ポジショナルプレー」を参考にしキャンプからJ2仕様にアレンジして落とし込んだ。選手からも信頼は厚く若手選手を軸とした可変型システムで2度の4連勝するなど一時は上位争いした。大卒新人のFW長谷川元希、FW鳥海芳樹、DF須貝英大、DF関口正大を積極的に起用し、育成能力もある。Jリーグ関係者からも手腕を評価する声は多い。
来季はなるべく現有戦力を引き止め、継続性のあるチーム強化を進める方針で、今後はクラブが条件面などの提示を行う予定。この日は北九州戦で1―0と3戦ぶりに勝利し「一戦一戦勝ち点を取るしかない」と話した。来季に向けた指揮官の決断に注目が集まる。
◇伊藤 彰(いとう・あきら)1972年9月19日、埼玉県生まれ。埼玉・武南高、国士大を経て富士通入り。その後、チームがJリーグに加盟し、J2川崎に。J1昇格に貢献し大宮、鳥栖、徳島でもプレー。引退後に大宮下部組織を指導し17年はトップチーム監督。19年からJ2甲府監督。