箱根駅伝展望 全日本大学駅伝V2の駒大が一歩リード 青学大、東京国際大、順大が追う

連覇でゴールテープを切るアンカーの駒大・花尾恭輔
連覇でゴールテープを切るアンカーの駒大・花尾恭輔

◇学生3大駅伝第2戦 全日本大学駅伝 (7日、名古屋市熱田神宮西門前スタート、三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前ゴール=8区間106・8キロ)

 駒大が激戦を制し、5時間12分58秒で優勝した。2年連続で大会最多の14回目の優勝。学生3大駅伝通算も最多の24勝目を飾った。

 8秒差の2位は青学大。1995年大会で優勝・早大と2位・中大の13秒差を更新する大会史上最少差の接戦だった。

 3位は順大。4位はチーム史上最高位と健闘した国学院大。5位は東京国際大。6位は早大。7位は明大。8位の中大までがシード権を獲得した。9位は法大。10位の東洋大は14年ぶりにシードを逃した。

 学生3大駅伝開幕戦の出雲駅伝(10月10日)、第2戦の全日本大学駅伝を終え、残す大会は「最高峰」の箱根駅伝だ。出雲路、伊勢路の戦い、さらに箱根駅伝予選会や各競技会の結果を踏まえると、勢力図が見えてきた。

 【Sクラス】優勝候補の筆頭は、やはり、駒大だ。出雲駅伝ではミスが目立ち、5位。全日本大学駅伝でもミスがあったが、絶対エース田沢廉(3年)の爆発力、いぶし銀ランナーの花尾恭輔(2年)の勝負強さで勝ち切った。出雲駅伝、全日本大学駅伝と2戦連続で苦しい位置から挽回した安原太陽(2年)の「駅伝力」も光る。日本選手権1万メートル3位の「もうひとりのエース」鈴木芽吹(2年)が復活し、本来の力を発揮すれば圧勝もありえるだろう。不安は唐沢拓海(2年)らトラックレースでは速いが、ロードレースでは力を発揮できない選手が数人いることだ。彼らが「速さ」に加え「強さ」を身につけた時「令和の駅伝王者」は盤石となる。

 【A+クラス】駒大の対抗は青学大だ。出雲駅伝、全日本大学駅伝ともに2位。強さももろさも見せた。出雲では3大駅伝デビュー戦の横田俊吾(3年)が東洋大、国学院大との2位争いに競り勝つ勝負強さを見せた。全日本大学駅伝では1区で学生3大駅伝デビューの志貴勇斗(2年)が一時は先頭を引っ張るなど4位と好走。3区では、1年時の箱根駅伝2区以来、2季ぶりの3大駅伝復帰となった岸本大紀(3年)が日本人トップの区間3位と力走した。エース区間の7区(17・6キロ)でも近藤幸太郎(3年)が駒大の田沢廉(3年)に18秒差の区間2位と健闘した。青学大が箱根駅伝4連覇した15~18年は、ほぼブレーキなし。しかし、最近は時折、ミスが出る。駒大に勝つためにはミスのないレースが求められる。

 【Aクラス】東京国際大、順大、国学院大の3校だ。

 東京国際大は箱根駅伝2区と3区の区間記録を持つイェエゴン・ヴィンセント(3年)という大砲を持つ。レース序盤で独走し、余裕を持って走れる「先頭効果」を1区間でも、1キロでも長く続けることがポイントだ。

 順大は東京五輪3000メートル障害7位入賞の三浦龍司を擁し、勢いに乗る。四釜峻佑、伊予田達弥、野村優作の3年生トリオも充実。長門俊介監督と「2代目・山の神」今井正人が4年時だった2007年以来、15年ぶりの箱根路制覇は決して不可能ではない。

 常連校から強豪校にステップアップした国学院大にも初優勝のチャンスがある。安定感抜群の島崎慎愛(4年)、キャプテンとして責任感ある走りを持ち味とする木付琳(4年)、全日本大学駅伝で最長8区で区間賞を獲得した伊地知賢造(2年)、どの区間でも堅実に走る殿地琢朗(4年)と戦力は充実している。さらにルーキー平林清澄は「3代目・山の神」神野大地(現セルソース)をほうふつさせる軽い走りが持ち味で大仕事をやってのける力を秘める。藤木宏太(4年)と中西大翔(3年)の主力が他校のエースとどれだけで競り合えるか、が鍵になる。

 【A-クラス】早大、明大。

 早大は全日本大学駅伝5区で首位に立つなど確かな力を持つ。ただ、主将の千明龍之佑と太田直希(4年)が故障のため、出遅れていることが気がかりだ。

 予選会トップ通過の明大は選手層が厚い。近年の箱根駅伝では本来の力をできないことが多い。100%に近い走りを10区間で続ければ、1949年以来、73年ぶりの歴史的な復活Vの可能性もゼロではない。

 【B+クラス】東洋大は全日本大学駅伝で14年ぶりにシード権を失った。箱根駅伝で巻き返すためには松山和希(2年)が2区で、宮下隼人(4年)が5区で区間賞争いをすることが求められる。ここまで「区間賞獲得率100%」の石田洸介(1年)が往路の主要区間でどこまで戦えるか注目される。

 【Bクラス】中大と法大。

 最多の14回の優勝を誇る中大は吉居大和(2年)、三浦拓朗(4年)を中心に徐々に輝きを取り戻しつつある。森凪也(4年)の復活が待たれる。

 法大は前回1区区間賞の鎌田航生(4年)を軸に堅調に成長。上位進出の可能性は大きい。

 ここまで10校。しかし、何が起こるか、分からないのが駅伝。全10区間が20キロ超の箱根駅伝は、なおさら先行き不透明。競技特性として、1人を欠いた10人のチームが11人のチームに勝つこともあるサッカーと違って、1人が大きなミスをすると、確実に敗戦に直結する。優勝候補のチームでも、10区間217・1キロが終わるまで、決して油断はできない。

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