【有森裕子の本音】東京五輪で生まれた「気付き」「疑問」の検証必要 

スポーツ報知
有森裕子

 先日、東京五輪・パラリンピックのボランティア参加者を対象にした研修会内のトークイベントに、ゲストとして呼んでいただきました。これは、ある五輪のスポンサー企業が開催。様々な現場でボランティアをした方が「未来を変える気付きとヒント」をテーマに、五輪・パラリンピックでどう感じ、どんな気付きや発見があったか体験をもとに議論し、その答えに対して私が感想や意見を述べるものでした。

 今大会で、ボランティアの方々は世間に良くも悪くも様々な角度から注目される中で、楽しみと複雑な思いが混在していたようです。それを言葉にし、前向きにつなげるために大会を検証する。これは、非常に有意義なものでした。同時に、ネガティブな意見が出てくる可能性が予見される中、開催した企業もしっかりと向き合い、次なる支援につなげようとしていました。

 大会終了後、各スポンサー企業や大会組織では、報告会のようなものは行われたかと思いますが、「検証」という形で様々な角度から振り返ることが十分になされたかは、メディアを通じてもあまり出てきていないように思います。国内では、既に冬季五輪、世界陸上で日本招致の動きがあります。その次なる動きを受け入れていくためにも、今大会の検証を経た上で、世界的な大会に手を挙げ、プロセスを社会と共に、丁寧に進めることが必要だと思います。

 東京五輪では、良くも悪くも気付きや疑問が生まれました。その全てに明快な答えを出すことは難しいと思いますが、社会に生きる多くの人々に支えられ、応援されている「スポーツ」「アスリート」である中で、「検証」という作業は重要ではないでしょうか? マイナス面だけでなく、伝えきれていない収穫もあったはず。参加した人が得た経験を知る機会を作り伝えていくことに、大きな意味があると考えています。(女子マラソン五輪メダリスト・有森裕子)

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