れいわ新選組・山本太郎代表の独壇場 衆院選で見た記者を引き込む人心掌握術

スポーツ報知
衆院選の投開票日の会見で笑顔を見せる山本太郎氏

 衆院選の投開票が31日に行われ、選挙戦が終わった。

 選挙期間中、私はれいわ新選組・山本太郎代表の担当だった。そこで見たのは独壇場をつくる”職人”山本氏の姿だ。

 初めて生で山本氏を見たのは10月13日。JR新宿駅西口地下での街頭記者会見だった。東京8区からの出馬撤回直後の山本氏に、選挙区関連の質問が集中する。そこで山本氏は、「なんかないですか?おすすめの選挙区」と記者に聞き始めた。「ああ、そこは〇〇さんがおるからなあ」「そこは全然おすすめじゃないですよ~」。

 3時間に及ぶ会見。締め切りに追われる記者たちに会社から電話が来始めると、「大丈夫ですか電話。代わりましょうか?」といじり出す。この現場はなんだかおもしろいぞと思った。

 そして、衆院選取材が初めてだった私は、他の選挙区取材もするようになって、山本氏の現場は「他とは違う」と確信していく。

 19日の第一声があったJR新宿駅南口前。演説後の囲み取材の最後には、「みなさん投票先決まりましたか?」と記者に聞く。「NHKさんは?」「まだ決めてないです」「うっそ~?決まってるんちがうの~?」そんなやりとりを繰り返し、笑顔で去って行く。

 囲み取材で記者に逆質問し、記者と会話をする。少し答えに困る記者たちを前に、「いたずらに成功したような顔」を見せ、それを楽しんでそうな雰囲気さえある。私が取材した中には、そんな候補者は他にはいなかった。

 22日、JR阿佐ヶ谷駅前での演説後の囲みでは、顔見知りの記者を見つけ、「どこ行ってたんですか~〇〇さんしばらく見なかったですね、旅に出てたんですか?」。選挙戦中、日に1回は囲みの場を設け、集まった記者がたとえ3人しかいなくとも、必ず応じていた。質問をすると一時も目をそらさず、こちらを見て答える。その眼力に私の方が目をそらすタイミングがわからなくなり、ノールックでメモを取るしかなくなった。

 時には、ある記者に「(今日は)聞きたいこといっぱいあるんですねえ。路上(街頭)では全然聞かへんかったのに」といい、ある時は別の記者に「〇〇新聞さん選挙中に出された記事がデマなんですよ。ごめんなさいね、(会見に出てる)本人が書かれたんじゃないのに」と釘を刺してからフォローした。

 記者の顔を覚えていること、記事を見ていることをアピールし、最後に個人に対してはフォローを入れる。間違いなく、人心掌握術にたけていた。記者と相互の関係をつくることで、より独壇場を際立たせていた。

 記者までも楽しませてつかみに来る手法は、芸能界で培ってきたものなのだろうと思った。とは言いつつ、1998年生まれの私は、芸能人としての山本氏をほとんど知らない。先輩から教えてもらった単語だけを頼りに、YouTubeで検索をかけた。「メロリンQ」。水泳帽をかぶり、海パン1枚の”山本青年”が奇妙な動きで踊っていた。思っていたのとは違ったが、独壇場には変わりなかった。(瀬戸 花音)

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