元日本ハム、BC栃木の黒羽根利規コーチが考える「野球界への恩返し」

スポーツ報知
黒羽根利規氏

 野球界に対し、自分には何ができるのか―。黒羽根利規さんの言葉から、その思いが強く伝わってきた。昨季まで日本ハムでプレーして現役を引退し、今季からはBC栃木のバッテリーコーチに就任。1人でも多くの選手をNPBへと送り出すことを目標としながら、並行して今月からは小中学生を対象とした野球スクール「EIGHT baseball academy」での指導もスタートさせた。現在は新たに開校した神奈川・横須賀でのスクールを担当している。

 指導者としてのスタート地点となったBC栃木での経験が、新たな道を踏み出すきっかけとなった。

 「今年、栃木で指導をして、アマチュア球界では捕手を教えられる人が圧倒的に少ないのだと感じました。知識や、練習法などを小さい頃から学んでいけば、もっと野球界から優れた選手が生まれていくんじゃないかと感じたんです」

 プロ15年間で得たものは技術、メンタル、練習法など多岐にわたる。捕手として通算224勝を誇る工藤公康氏(前ソフトバンク監督)や、通算172勝の三浦大輔(現DeNA監督)ら名投手ともバッテリーを組んだ。それらの経験は、成長過程にある野球少年、少女たちにとっての手助けになると感じていた。

 「もっとこういうことをすればいいのにという子がいたり、野球をやっていく上での引き出しが圧倒的に足りない子もいる。こうなったら、こうすればいいという引き出しをもっと早く学ぶことができれば、野球界としてレベルが上がっていくと思いました」

 その思いを形にする方法を模索する中で今回、野球スクールの指導者の依頼が舞い込んだ。偶然にも自身がプロとしての道を歩み始めた神奈川で、地域密着を掲げる内容だった。現役引退から1年が立ち、心境の変化も感じている。

 「自分が何かを教えることで、その子がうまくなったり、目指していた高校、その先にあるプロに行けたりとか…。引退してからは、自分が関わった人すべてが成功してほしいと思うようになりました」

 受講者のレベルはさまざまなため、技術を易しく伝えることは簡単ではない。しかし、それもまた自身にとっては貴重な経験となっているという。

 「プロで学んだことをすべて伝えることは難しい。ですが、その子にあった教え方、どのレベルで教えればいいのかということを自分も勉強させてもらっていると感じます」

 根底にあるのは自身を育て、現在まで導いてくれた野球界への恩返しの思いだ。

 「プロで15年やれたことに対しての恩を、これからの子どもたちに少しでも還元していきたい」

 プロ野球選手としてのキャリアは終えても、野球人としての夢は終わることはない。(プロ野球担当・小島 和之)

 ◆黒羽根利規(くろばね・としき)1987年6月2日、横浜市生まれ。34歳。日大藤沢高から05年高校生ドラフト3巡目で横浜(現DeNA)に入団し、14年には自己最多の109試合に出場。17年途中からは日本ハムへトレード移籍し、20年限りで現役を引退。21年からBC栃木のバッテリーコーチに就任。1軍通算成績は361試合で打率2割1分4厘、6本塁打、50打点。

 ▼「EIGHT baseball academy」 元プロ野球選手、甲子園経験者などが多数在籍する野球団体。小中学生から成年までの野球指導を行っている。詳細は(https://www.facebook.com/%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BEEight‐baseballacademy‐564715100394878/)まで。

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