俳優・松大航也、バレーボール日本代表の友人・西田有志の活躍刺激に、アクション作品出演つかむ

スポーツ報知
松大航也

 俳優・松大(まつだい)航也(22)が着実に地力をつけている。NHK連続テレビ小説「エール」(20年)で注目を集め、フジテレビ系「レンアイ漫画家」(21年)で主演・鈴木亮平の青年期役を熱演。来年公開の映画「20歳のソウル」(神尾楓珠主演)への出演も決まった。次世代のホープは、友人で東京五輪でも活躍した男子バレー・西田有志(ビーボ・バレンティア)に負けまいと飛躍を誓った。

 役者デビューして4年目。松大はこれまでにない手応えを実感している。4月期に放送された「レンアイ漫画家」で、鈴木演じる天才漫画家・清一郎の青年期役を担当。清一郎の不器用な性格をひもとくのに欠かせない重要な役どころだが、「鈴木さんともお話しさせていただきましたが、『僕たち似てないですね』って」。

 そもそも顔の作りが違う。役のためには体重の大幅な増減もいとわず、作品ごとに違う顔を見せる鈴木に似せるのは、並大抵ではなかった。

 「何度か撮影現場を見学させていただいて、鈴木さんが話した2つくらいのセリフを切り取り、言い回しをひたすらマネし続けました。そしたら他の言葉も鈴木さんのように言えるようになりました。目の伏せ方、背中の曲がり方、セリフの言い回し。外的要因から見て取れるものを全部生かしました。似てない自覚があったからこそ、似せる努力をする。周囲からは『似ている』ってすごく言われて、頑張ったことが報われました」と胸を張った。

 大きな成長を経て、次は自身2本目の映画に挑んだ。映画初出演作は19年公開の「見えない目撃者」(吉岡里帆主演)。「デビューしてまもなくの撮影でしたが、プレッシャーが大きくカチコチになってしまった。そのため主演の吉岡さんに何度も助けていただきました」。映画デビューはほろ苦い思い出だ。

 それからドラマや舞台で地道に経験値を積み、再びスクリーンに戻る機会が訪れた。「20歳のソウル」は、千葉・市立船橋高校の吹奏楽部に伝わる伝説のチャンステーマ「市船soul」を作曲し、20歳の若さでがんのため死去した浅野大義(たいぎ)さんの物語。松大は野球部に期待の新人として入部したが、けががきっかけで思うようにプレーができず、応援団長に任命された高校生を演じる。

 現場で縮こまっていた前作とは違う。エキストラとして参加していた市船生に自ら話しかけ、同校の応援団のことについてリサーチ。役の背景を膨らませた。

 「普段は人見知りですが、仕事の場ではしない。むしろ自分から積極的に話しかけます。個人的見解ですが、俳優をやっていると持ち上げていただけるし、勘違いしやすい環境。でも、作品が一番の軸。みんなで作り上げることを忘れないためにも、みんながやっていることにも興味を持っていきたい、良き仲間でありたい」

 目に力を込め、熱弁する。真っすぐすぎる姿勢から、派手な役は少ないが、出演作が途切れないのもうなずける。

 映画では野球部だが、松大自身はバレーボールに青春を懸けた。今夏の東京五輪男子バレー日本代表として、92年バルセロナ大会以来となる決勝トーナメント進出の立役者となった西田は小学生の頃、選抜チームで共に汗を流した仲だ。

 「中高生の時は別の学校でしたが、試合で対戦することもありましたし、会場で話したり。元々(代表戦は)あまり見ていませんでしたが、オリンピックは興奮しましたね。西田はえぐかった…刺激はバチバチに受けました。海外でも頑張ってほしいですし、それに続けるよう自分も努力していきたいです」

 世界を相手に戦う友人の奮闘に、松大の闘志も燃えたぎる。今後の目標は「アクション作品に出たい」とキッパリ。初主演ドラマ「GARO ―VERSUS ROAD―」(20年)でアクションに初挑戦して以来、1年以上にわたって週に1~2回練習は続けているという。「現場に行ったらまた必死になってしまうと思いますけど、挑む気持ちに余裕はできたと思います!」。真面目な姿勢と熱い思いを胸に、一歩一歩夢に向かって努力を惜しまない。(水野 佑紀)

 ◆松大 航也(まつだい・こうや)1999年9月4日、三重県生まれ。22歳。中学3年時に地元でスカウトされ、17年12月にフジテレビ系「オーファン・ブラック~七つの遺伝子~」で俳優デビュー。19年「見えない目撃者」で映画デビューし、20年にNHK連続テレビ小説「エール」に出演した。趣味は映画観賞、筋トレ。特技はバレーボール。身長180センチ。血液型B。

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