【中日】選手ロッカーに貼られた立浪和義の直筆メッセージ ベテランも心酔した圧倒的な技術論で改革を

スポーツ報知
就任会見でカメラマンに向かいポーズをとる立浪和義監督

 イントロが鳴っただけで、ナゴヤドーム(現バンテリンドーム)に大歓声が響いたのを覚えている。中日・立浪和義新監督が現役時代に登場曲で使っていたのが中村あゆみの「翼の折れたエンジェル」。1985年のヒットソングだ。

 「高校1年生の時に寮で流れていた。プロでも初心を忘れないようにと思って使っていました」。2学年上のKKに憧れ、PL学園に入部したが、理不尽な上下関係に、想像を超えた雑用など、幾多の苦しみも味わった。春夏連覇し、栄光をつかんだ87年ではなく、下積み時代の体験が原点となっている。

 プロ入り後も星野仙一さんに鍛えられ、早々とレギュラーをつかんだ。忍耐と根性にまみれた野球人生に思えるが、それを支えてきたのは圧倒的な技術力だ。

 「立浪さんの打撃理論は本当にすごいです。一つ一つ細かく裏付けがあって、引き出しがどんどん出てくるんですよ」

 現役通算2050安打を放った和田一浩氏(現野球評論家)は中日にFA移籍して間もない2008年、打撃の師と仰いでいた金森栄治氏(現楽天打撃コーチ)に告げた。

 当時の選手ロッカーには、立浪が直筆で記した打撃の心得が貼られていた。「始動を早く」「体を開くな」…。「これが全部、良いことばかりなんです。若い選手だけじゃなくて、自分も参考になると思いました」。平田、堂上兄弟らに向けたメッセージだったが、和田も事あるごとに目にし、試合に臨んでいた。

 10月29日の就任会見では「長髪、茶髪、ひげ禁止」が話題になったが、チーム改革の本質は攻撃力の強化。「打つ方は必ず何とかします」。卓越した理論を根気よく野手陣に植えつけていくはずだ。

 2軍監督に就任した片岡篤史氏も、現役最終年の06年はサザンオールスターズの「Bye Bye My Love」を登場曲にしていた。「高校時代のつらい時に、これをよく聴いていたんよ」。これがリリースされたのも85年だ。

 今は消えたPL学園の「研志寮」のラジカセから流れていた郷愁のメロディー。1、2軍の垣根を越え、心身ともに強くてタフなドラゴンズを再建していく。

(08、09年中日担当・表 洋介)

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