阪神、リーグ制覇逃した失速の原因は首脳陣の「迷い」…「掛布論」特別版<上>

スポーツ報知
掛布雅之氏

 阪神は最大7ゲーム差をヤクルトに逆転されて、16年ぶりのリーグ制覇を逃した。“失速”の原因はどこにあったのか。また、CS第1ステージからの下克上日本一へ、いかに戦うべきか。掛布雅之氏(66)=阪神レジェンド・テラー、スポーツ報知評論家=が「掛布論」特別版で2回にわたって論じる。

 後半戦を迎えた時点では阪神と巨人のマッチレースになると見ていた。両チームとも戦力的にはヤクルトより優位に立てるはずだった。だが、阪神、巨人とも選手の好不調の波が激しく、ベンチが対処するために「変化」を加えたとき、チーム内に少なからず「Why」の思いがあったように感じた。逆にヤクルトはシーズンを通して戦い方がぶれることなく、選手とベンチが一丸で戦えていた。

 阪神の場合、特に難しかったのが、新人の佐藤輝の起用だ。後半戦で不振に陥り、先発で使い続けるか、完全に外すのか、首脳陣の方針が見えなくなった。迷いは選手にも伝わる。大山、サンズ、梅野も調子の下降線に入ったとき、通常では考えられないほど、深みにはまった。その結果、レギュラーと控えの線引きが難しい構成となり、「誰が勝敗を背負うのか」が見えないチームになってしまった。

 守りの誤算も。エースの西勇にアクシデントが相次ぎ、1年間精彩を欠いたままだった。そして、ここ数年の課題の守備は、4年連続リーグ最多のチーム失策を記録した。振り返ればいくつか浮かぶ「あのエラー」を防げていれば、優勝に届いた。甲子園ほどきれいに整備されたグラウンドはなく、土のグラウンドを言い訳にしてはいけない。

 今年は佐藤輝、中野、伊藤将の新人トリオの大きなプラスαがあった。だが、既存の野手で昨季から確かな成長を感じたのは近本ぐらいだ。大山らは悔しさを糧にしてほしい。チームが迷いなく戦える投打の軸と、堅い守り。来季のV奪回への課題は明白だ。

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