桜田義孝元五輪相「厳しいなんてもんじゃない」野党候補一本化と自身の過去の失言による支持者離れで大苦戦

応援に駆けつけた菅義偉前首相(右)とともに演説を行う桜田義孝氏
応援に駆けつけた菅義偉前首相(右)とともに演説を行う桜田義孝氏

 大臣経験者が厳しい戦いを強いられている。千葉8区では、第4次安倍改造内閣で五輪相として初入閣しながら、度重なる失言で、わずか半年で辞任した自民党の桜田義孝氏(71)が、立憲民主党の新人・本庄知史氏(47)を相手に大苦戦。

 「厳しい。厳しいなんてもんじゃない」。思ったことをそのまま口にするという桜田氏に選挙情勢を聞くと、うつむき加減で本音を吐露した。

 1996年の初当選以降、計7回当選しているが、2009年の政権交代時には落選。12年に復活するまで浪人生活も経験した。「あの時くらいの厳しさだね」

 厳しい戦いを強いられているのには理由がある。一つは野党の一本化。これまで千葉8区は、野党各党から複数候補が出馬し票が割れていた。しかし今回は事実上の一騎打ち。14、17年の衆院選での野党票の合計は、桜田氏の得票数を上回っていた。初めて野党が一本化したことで強力な「反自民」の受け皿ができ上がった。

 もう一つは“失言騒動”で支援者が距離を置いたことだ。選対幹部は「今までの支持者が離れていった」と打ち明ける。地元県連は一枚岩で支援しているが、60~70代の支援者からは「勉強不足」との厳しい声もあり、桜田氏も落ち込んでいるという。

 18年に五輪相として初入閣したが、数々の軽い発言で猛反発を受けた。19年4月の政治資金パーティーでの被災地を巡る不適切発言を受け、半年で五輪相を辞任。「おわび行脚が遅かった」(陣営)。小選挙区で落選することも想定し、「正直、比例の順番数えてますよ」(陣営)と漏らす。

 それでも、人柄についての党内の評判は上々だ。苦戦を知った河野太郎広報本部長(58)は録音した自らの声を使う「オートコール」で、支持を呼びかける。初当選が同期の菅義偉前首相(72)は「桜田が大変だから」と、志願して応援演説に駆けつけた。「会えば人気はある」(陣営)。若者を中心とした無党派層の支持を狙い挽回を図っている。

 対する野党統一候補は立民・岡田克也元副総理の秘書を19年務めた若手の新人・本庄氏。岡田氏からは「気を引き締めて」と激励され、「非力にして無名、しかし、無力ではない」と強気で挑む。陣営は「知名度は相手が上。やるべきことをやるだけだ」と、気を引き締める。8月から40回以上、選挙期間中も土日に行っているのが「あおぞらトーク」。公園などに人を集め、直接質問に答えるなど工夫を凝らす。

 同区からは、無所属新人の宮岡進一郎氏(80)も立候補している。(瀬戸 花音)

 ◆桜田元五輪相の主な失言・珍言

 ▼「レンポー」 18年11月13日、立民の蓮舫参院幹事長(当時)の名前を言い間違え。

 ▼「国防省」 同22日、サイバー空間での軍事攻撃に関して「防衛に関することは国防省だ」。

 ▼「1500円」 12月25日、東京五輪・パラリンピックの1500億円の国負担額を「1500円」、予算総額1兆3500億円も「1兆3500円」と答弁。

 ▼「本当にがっかりしている」 19年2月13日、競泳・池江璃花子の白血病公表に。

 ▼「いしまき」 4月9日、参院内閣委員会で宮城県石巻(いしのまき)市を3回言い間違える。

 ▼「復興以上に大事なのは高橋(比奈子衆院議員)さんだ」 同10日、高橋氏のパーティーで復興軽視発言。

 ◆千葉8区(柏市の一部、我孫子市)

本庄 知史47 立民新

桜田 義孝71 自民前〈7〉

宮岡進一郎80 無新

※敬称略、届け出順。<数字>は当選回数。年齢は31日の投開票日現在

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