【ヤクルト】田口麗斗が抱く古巣への感謝「僕はジャイアンツで育ててもらった、スワローズの田口」

スポーツ報知
リーグ優勝の記念撮影で笑顔のヤクルト・田口(中央)

 明るい性格の左腕らしい提案だと思った。26日のDeNA戦(横浜)に勝利し、阪神が敗れたためヤクルトの6年ぶりのリーグVが決まった。開幕前に巨人からトレード移籍した田口麗斗投手にとっては、自身3連覇。高津監督を中心とした歓喜の輪の中で提案した。「(胴上げは背番号の)22回で」。これは指揮官に「5回にしてくれ」と却下されたが、新天地で迎えた歓喜の瞬間は格別だったに違いない。

 今季は開幕ローテーション入り。優勝争いが激しさを増す9月上旬からは、左の中継ぎが手薄なチーム状況もありブルペンに回った。「僕はファームでくすぶっているような立場ではいけない。スワローズに必要としてもらった身として、最後までフル回転で1年間通して投げないと」。ここまで32試合に登板して5勝9敗、防御率4・06。勝敗を左右する場面も託されながら、力の限り左腕を振ってきた。

 新天地でのスタートは不安なく始まった。「不安は全くなくて。せっかくチームが変わるなら、自分の味をめちゃくちゃ出していこうと。自分にみんなが付いてくる感覚を作り上げたい」。ずば抜けたコミュニケーション能力でチームになじみ、自慢の美声を響かせてチームメートの誕生日を祝った。コミカルなキャラクターでファンサービスにも熱心。多くのツバメ党の心を瞬く間につかみ、一部では「生え抜き」とも評された。

 愛のある言葉はもちろん「うれしい」。だが、複雑な気持ちも抱えていたという。

 「あくまで僕はジャイアンツで育ててもらった、スワローズの田口というのを忘れないでいる。それは忘れちゃだめなところだと思っているので」

 13年に広島新庄高からドラフト3位で巨人に入団。3年目の16年に10勝、翌17年には13勝を挙げて大きく飛躍した。「ここまで丈夫な体になっている。ケガしてもすぐに復帰させてもらえるようにリハビリ担当のトレーニングコーチ、トレーナーの協力があっていまここに僕はいる」。大きな故障、離脱もなくステップを踏めたのは、古巣の首脳陣、球団スタッフのおかげでもある。感謝の気持ちは尽きない。

 次はチーム20年ぶりの日本一を目指しての戦いだ。クライマックスシリーズでは、3位の巨人とファイナルステージで対戦する可能性もある。プロとして一人前に育ててくれたジャイアンツと、自分を必要としてくれたスワローズ。両チームへの感謝を抱きながら、マウンドに立つ。その姿が、何よりの恩返しになると信じて。(ヤクルト担当・小島 和之)

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