世界体操女子平均台で67年ぶりの金 芦川うららが進学を先伸ばしにして迎えた「決意の1年」

スポーツ報知
平均台の上で伸びやかな演技を見せる芦川

 ちょうど1年前、芦川うらら(18)が練習する水鳥(みずとり)体操館(静岡市)を初めて訪れた。種目別W杯3連勝中で、東京五輪出場をすでに確実にしていた日本のトップ選手。午後8時半過ぎに練習を終えた芦川は、一つ一つの質問に言葉を選びながら丁寧に答えてくれた。

 翌年に控えた大舞台への強い決意を口にしたのは、取材が後半に差し掛かった頃だった。当時は常葉大常葉高の3年生。東京の強豪大学に進む予定だった。「五輪は大学生として迎えることになりますね」と聞くと「進学しません」。思わず聞き返した。「来年は進学せず、ここに残ります」。

 理由は「大舞台を前に環境を変えず、今まで支えてくれた人たちと喜び合いたい」。毎日、体操館まで車で迎えに来てくれる母・孝子さんと、指導する守屋舞夏コーチへの思いが言葉となってあふれた。

 昨秋から「五輪で決勝と世界体操で表彰台」を掲げ、難度を上げた新構成に取り組んだ。左座骨の痛みを抱えながらの挑戦に「完成まではまだまだ」。不安も口にしていたが毎日、プログラムを10回通して練習し、「9割以上」の仕上がりで迎えた東京五輪は6位入賞。大舞台で一つ目の目標を達成した。

 世界選手権は小学2年から練習してきた水鳥体操館所属として最後の大会だった。金メダルに輝いた24日の種目別決勝・平均台では、予選でバランスを崩し「マトリックス」で耐えた跳び技も決めた。最後の降り技を決め、守屋コーチと抱き合う。「決意の1年」が結実した瞬間に見せたのは、満開の「うららスマイル」だった。(静岡支局・内田 拓希)

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