障害のレジェンド 元ジョッキーの林満明さんは調教助手として奮闘中 「まだまだ頑張る」

スポーツ報知
元JRAジョッキーの林満明調教助手。今春から栗東トレセンの杉山佳明厩舎で奮闘中だ

 障害の超レジェンドは今も元気に頑張っています。元ジョッキーの林満明さん(はやし・みつあき=54)は前人未到の障害2000回騎乗を達成し、惜しまれつつ2018年末に引退。歴代2位が嘉藤信雄元騎手の1958回。現役最多が熊沢重文騎手の1661回で、300回以上も差があることから、騎手人生33年をかけて築いた記録のすごさが分かる。

 現役引退後は調教助手に転身した。勇退、解散となった栗東・角居勝彦厩舎を経て、今春から新規開業となった杉山佳明厩舎で奮闘中。騎手と助手の違いについて聞くと、林さんは「全然違う。馬の世話から調教から騎乗まで仕事だらけ。50歳を過ぎてから助手になったけど、まだ慣れない」と目の回るような日々を送っている。

 現在は担当馬2頭の持ち乗り調教助手として腕を奮う林さん。担当馬のエピローグが杉山佳厩舎の初勝利(3月27日、中京9R)となり、ジューンビアンカが5月19日に名古屋のJRA交流・名古屋CCメロン賞でV。6月12日の札幌12R・HTB賞でマイエンフェルトが厩舎初の特別レースでの勝利。開業当初、林さんの担当馬が立て続けに勝った。

 中京で厩舎初勝利となったが、その日は障害馬の帯同で阪神に行っていた。林さんは「目の前で見られなかったのは残念だったけど、自分の馬が勝って、うれしかった。札幌でも勝たせてもらったけど、北海道は30年以上も行っていなかった。騎手2年目のとき以来で全然わからなかった」と苦笑い。取材の途中に現れた2歳上の元障害ジョッキーの先輩、出津孝一助手(57)が「うちの厩舎は林君で持っているようなもの」と豪快に笑う。2人の障害レジェンドの表情から厩舎の雰囲気の良さが伝わってきた。

 気になる存在は、10月24日に歴代単独最多の障害通算255勝を達成した熊沢重文騎手。そして、馬の方で気になるのはオジュウチョウサン。騎手時代、アップトゥデイト(2015年に中山GJ、中山大障害制覇)とコンビを組んだ際、常に意識せざるを得ない強力なライバル馬だった。

 「僕が2000回騎乗というけど、クマの方がすごい。たいしたもんやな。オジュウはアップトゥデイトの一番のライバル。あの馬がいたから頑張ることができた」と懐かしそうに振り返った。

 障害界の未来について聞くと、林さんは「若い人に頑張って障害に乗ってほしい。障害ジョッキーの若手が増えてほしい。小牧加矢太くんが受かれば面白いね。乗馬と競馬は違うけど、腕は達者みたいだから」と騎手免許試験(新規)の一次試験に合格した小牧太騎手の長男を気にしていた。

 現役時代は106回も落馬しながらも、命がけで50歳を過ぎても現役を続けた。ケガとの戦いで、「5年前の胸椎破裂骨折。あれが一番きつかった。2か月半も休んだ。もう少しずれて神経に当たっていたらダメだった。今こうやって生きているのが奇跡」。ケガが付きものとはいえ、危険と隣り合わせの仕事を30年以上も続けてきたのは、本当にすごいと思う。

 今の目標は「馬も自分もケガしないように、担当した馬は引退まで面倒を見てあげたい。まだまだ馬に乗って頑張り続けたい」。これからも林さんが元気に馬に携わっていくことを期待。そして林さんが望むように次世代の障害ジョッキーが増え、ジャンプレースが盛り上がってほしい。(中央競馬担当・内尾 篤嗣)

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