100周年の月組照らす新トップ・月城かなと&海乃美月「舞台に真っすぐな組を作る」

「川霧の橋」のたもとで明日を見つめる幸次郎(月城かなと=左)とお光(海乃美月)
「川霧の橋」のたもとで明日を見つめる幸次郎(月城かなと=左)とお光(海乃美月)

 宝塚歌劇月組の新トップコンビ、月城(つきしろ)かなと・海乃美月(うみの・みつき)が福岡・博多座で、プレお披露目公演「川霧の橋」「Dream Chaser―新たな夢へ―」を駆け抜けている。男役2番手の羽根を背負う鳳月杏(ほうづき・あん)を含む実力派トリオは、いずれも芸名に「月」が入っており、誕生100周年の月組にピッタリ。「新月」が次なる歴史へ向け、鮮やかにエネルギーを放っている。(ペン&カメラ・筒井 政也)

 劇団屈指の美貌(びぼう)に、時代物の男役のかつら「青天」(あおてん)がよく似合う。「芝居の月組」の伝統継承とともに、新トップ・月城の持ち味が生きる始動作だ。

 「川霧の橋」は1990年に同じ月組の剣幸&こだま愛のサヨナラ公演で上演され、今回が31年ぶりの再演。江戸・隅田川の茅町(かやちょう)を舞台に、大工の若棟梁・幸次郎(月城)と、その幼なじみ・お光(海乃)のすれ違いの悲恋を交え、必死に生き抜こうとする人間の姿を描く。お披露目的な派手さはないが、雪組時代(09~17年)に日本物の経験値を積んだ月城が、繊細で丁寧な演技で芝居の世界観に導いた。

 入団13年目の第95期生。6年目の14年の本紙インタビューで月城はすでに日本物について「人とは違う自分の武器、個性にしたい」と話していたが、その思いが結実した。当時、将来やりたい作品に「心中・恋の大和路」「殉情」を挙げていたが、トップとしてその夢をかなえてほしい。

 月城は初出演の博多座で、トップの羽根を背負ってセンターポジションに立ち、初日のあいさつで「この日の光景は一生忘れないと思います」と感激。ニューリーダーとして「これからも、みんなが舞台に真っすぐに向かい合っていけるような組を作っていきたい」と所信表明した。

 16年から若くして組を引っ張った1期上の前任者・珠城りょうと、成長をともにしてきた組子だけに、その力量も充実ぶりを示している。月城のパートナー・海乃は入団11年目でヒロインのキャリアも豊富。安心して見ていられる。2番手・鳳月は3期下の月城をしっかりと支え、「川霧―」の半次役では腰の据わった芝居で、空気をきりりと引き締める。存在感が頼もしい。

 早くから期待を集める98期生・暁千星(あかつき・ちせい)も「男役十年」の年を迎え、「川霧―」では最重要キャラクター・清吉役で観客の心をかき乱し、“脱ベビーフェース”を印象付けた。今後は役も重くなり、別箱組でバウホール主演を務めた8年目の100期生・風間柚乃(かざま・ゆの)とともに新生月組のキーパーソンとなる。99期・英(はなぶさ)かおとらの躍進にも期待したい。

 博多座公演は今月30日の午後4時開演の部で、映画館でのライブ・ビューイング、「タカラヅカ・オン・デマンド」でのライブ配信が実施される(有料)。新トップの大劇場お披露目は来年1~3月、綾瀬はるか主演映画の舞台化「今夜、ロマンス劇場で」と「FULL SWING!」。

 〇…月城のトップ就任を同期も喜んだ。星組トップスター・礼真琴は宝塚音楽学校時代、月城と2人で催事の担当を任されることが多く「夜な夜な一緒に『寝ないで!』って言い合いながら音楽を編集したり(笑い)。性格上、あまり思い詰めないように!」と思い出話とともにメッセージを送った。花組トップスター・柚香光(ゆずか・れい)は「“詩的”で、人の心の機微にすごく敏感な人」と月城を称し、「大変な状況の時に『分かるよ』ってたくさん共感、共有することが私にできることかな」と絆の強さを示した。

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