【箱根予選会】駿河台大“金髪グラサン伝説”徳本一善監督+31歳“遅れてきた戦力”で悲願の初出場

箱根駅伝初出場を決め、胴上げされる駿河台大・徳本一善監督(カメラ・竜田 卓)
箱根駅伝初出場を決め、胴上げされる駿河台大・徳本一善監督(カメラ・竜田 卓)

◆報知新聞社後援 第98回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)予選会(23日、東京・立川市陸上自衛隊立川駐屯地内周回コース=21・0975キロ)

 新型コロナウイルス感染防止対策のため、昨年に引き続き無観客の周回コースで行われ、法大時代に箱根路を沸かせた徳本一善監督(42)が率いる駿河台大が8位で悲願の初出場を成し遂げた。中学校体育教師を休職して編入学した31歳の今井隆生(4年)らが激走し、夢をつかんだ。トップ通過は明大。昨年、まさかの敗退を喫した中央学院大は7位で復活した。前回優勝の駒大はじめシード10校、予選会を突破した10校、オープン参加の関東学生連合の計21チームが新春の箱根路に臨む。(天候・晴れ、気温14・9度、北北西の風1・8メートル=午前9時時点)

 31歳の学生ランナー今井が全体205位、チーム10位でゴールにたどり着いた瞬間、駿河台大の箱根駅伝初出場が事実上、決まった。

 「第8位、駿河台大学!」

 無観客の静かな会場に正式発表のアナウンスが響き渡った瞬間、今井ら選手は歓喜し、熱い涙を流した。その様子を徳本監督は穏やかな笑みを浮かべながらスマホで撮影。「あいつらの喜ぶ顔を撮っておきたかったからね」。法大時代、箱根駅伝史上初めて金髪とサングラスの姿で走ったという伝説を持つ個性派指揮官は喜び方も独特だった。

箱根駅伝初出場を決め、ガッツポーズで写真に納まる(左から)駿河台大・今井隆生、徳本一善監督(カメラ・竜田 卓)
箱根駅伝初出場を決め、ガッツポーズで写真に納まる(左から)駿河台大・今井隆生、徳本一善監督(カメラ・竜田 卓)

 徳本監督は4年連続で箱根駅伝に出場。2年時に1区で区間賞、3年時は2区で首位奪取。しかし、4年時は右足を痛め、2区の7・6キロ地点で途中棄権。大手町から28・6キロ地点での途中棄権は史上最短。箱根路で天国も地獄も味わった。

 波乱万丈の男は2012年に駿河台大の監督に就任。当時、本拠地の埼玉・飯能から「箱根」は遠かった。「酒、たばこは当たり前。漫画みたいな世界でしたよ」と苦笑いで振り返る。「週3回のパチンコを週1回にしないか?」。そんな指導を繰り返しながら、チームは少しずつ成長していった。

 2年前の予選会で12位に躍進。「箱根」が近づいてきた時、チームをさらに活気づける選手が加入。それが今井だった。

箱根駅伝の初出場を決めて歓喜する駿河台大・今井隆生(中央)ら選手たち(カメラ・竜田 卓)
箱根駅伝の初出場を決めて歓喜する駿河台大・今井隆生(中央)ら選手たち(カメラ・竜田 卓)

 埼玉県の中学校体育教師だった今井は昨年4月、「自己啓発等休業」制度を利用し、心理学部3年に編入学した。「担任クラスの中で不登校の生徒がいましたが力になれなかった。もっと生徒に寄り添える先生になりたいと思いました」と編入の理由を明かす。同時に、もうひとつ壮大な挑戦を決めた。

 東京・大泉高時代は陸上部に所属し、箱根駅伝出場を目標としていたが、走力が足りず、日体大入学後はトライアスロンに転向。「駿河台大で心理学を勉強しながら箱根駅伝にも一緒に出場しようぜ」。徳本監督の熱いエールが今井の背中を押し、かつて諦めた夢に向かうことを決めた。

 普段の練習からチームメートに「魂の走り」と呼ばれるほどの今井の気迫は1年半の間にチーム全体に浸透。埼玉・越生中時代、今井の教え子だったという不思議な縁を持つ永井竜二(3年)は「今井さんの存在は大きいです」と証言する。

 16年(予選会は15年)の東京国際大以来の初出場で、箱根駅伝史上44校目の出場校として名乗りを上げた。「ジャイアントキリングを狙いますよ」と徳本監督はニヤリ。超個性派チームが新春の箱根路を駆ける。(竹内 達朗)

 ◆徳本 一善(とくもと・かずよし)1979年6月22日、広島市生まれ。42歳。広島市立沼田高3年時に全国高校総体1500メートル2位。98年に法大入学。箱根駅伝は1年1区10位、2年1区1位、3年2区2位、4年2区途中棄権。卒業後は日清食品に入社。2003、04年の日本選手権5000メートル連覇。11年11月、駿河台大コーチ兼任選手に。12年4月に日清食品を退職し、駿河台大駅伝部監督に就任。家族は妻と1女1男。

  • 2000年大会の箱根駅伝で1区区間賞の力走を見せた法大・徳本一善

    2000年大会の箱根駅伝で1区区間賞の力走を見せた法大・徳本一善

 ◆今井 隆生(いまい・たかお)1990年8月31日、東京・保谷市(現・西東京市)生まれ。31歳。大泉高では陸上部に所属し、都大会10位が最高成績。日体大を経て2013年にトライアスロン実業団チームのケンズ入り。16年に現役引退し、埼玉県の中学校教員に採用された。自己ベストは5000メートル14分11秒10、1万メートル29分26秒99、ハーフマラソン1時間4分11秒、マラソン2時間23分23秒。165センチ、52キロ。

  • ゴール後に苦しそうな表情を見せる駿河台大・今井隆生(カメラ・相川 和寛)

    ゴール後に苦しそうな表情を見せる駿河台大・今井隆生(カメラ・相川 和寛)

予選会の順位変動
予選会の順位変動

箱根駅伝初出場を決め、胴上げされる駿河台大・徳本一善監督(カメラ・竜田 卓)
箱根駅伝初出場を決め、ガッツポーズで写真に納まる(左から)駿河台大・今井隆生、徳本一善監督(カメラ・竜田 卓)
箱根駅伝の初出場を決めて歓喜する駿河台大・今井隆生(中央)ら選手たち(カメラ・竜田 卓)
2000年大会の箱根駅伝で1区区間賞の力走を見せた法大・徳本一善
ゴール後に苦しそうな表情を見せる駿河台大・今井隆生(カメラ・相川 和寛)
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