【箱根予選会】日体大が74年連続出場 エース・藤本珠輝は右足負傷も日本人7番手の力走「途切らすわけにはいかない」

スポーツ報知
力走する日体大の選手たち(カメラ・竜田 卓)

◆報知新聞社後援 第98回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)予選会(23日、東京・立川市陸上自衛隊立川駐屯地内周回コース=21・0975キロ)

 日体大は3位(最終総合タイム10時間39分32秒)で74年連続74回目の出場を果たした。継続中としては歴代最長記録だ。玉城良二監督は「74回連続出場を途切らすことなく、本戦に出場できるので感謝したい」と喜びをかみ締めた。エース・藤本珠輝(たまき、3年)は右足痛を抱えながらも日本人7番手となる1時間2分55秒の力走。「途切らすわけにはいかないと思っていた」と、重圧から解き放たれた安どの表情を浮かべた。

 エースのプライドがチームを押し上げた。藤本は7月に右足ふくらはぎの内側の骨を疲労骨折。人生で初めての骨折を経験し「骨は初めてだったので、ずっと治りきらなくて」と予選会当日まで全体練習に加われなかった。玉城監督は大一番でエースを外すことも検討したが、エントリー締め切り2日前、今月9日の日体大競技会。藤本は満足のいく練習が積めていない中だったが、5000メートルで13分58秒24の好タイムを出した。その走りを見た指揮官は「メンバーに入れないわけにはいかない」と土壇場で藤本の起用を決めた。

 7月初旬に負傷して以降、藤本は約1か月半の間走ることができず、主にバイクトレで体力維持に務めた。8月中旬に一時回復したが、9月に再び発症。「今日まで毎日不安で焦っていた」。完治していない中、迎えたこの日のスタート前には「もしダメだったら骨を拾ってください」と指揮官に伝えた。それでも始まって見ればレース序盤から日本人トップ集団の先頭を快走。終盤で集団の先頭から後退したが、最後まで力走を見せた。チームも最初の5キロ通過タイムこそ11位だったが、エースの奮闘に引っ張られて10キロ通過は4位、15キロ通過は3位と順位を押し上げた。

 藤本は「もう迷惑はかけられない。故障中なので、タイムを稼げないけど最低限チームのためにミスをしない走りを心がけました」とうなずいた。指揮官は「藤本もプライドがあって。人の後ろで、あのスローペースでは血が騒ぐと言いますか。最後は向かい風の中、みんなに行かれて悔しかったんでしょうけど、チームの一員としての成長につながった」と目を細めた。

 結果発表時には他校が抱き合ったり、叫んだりと喜びを表現する中、日体大は整列し、静かに一礼した。「勝っておごらず、負けて腐らず。コロナ禍でやっていただくことを考えれば、私たちは喜んでいる場合ではない。『ありがとうございます』の気持ちが次へのスタートになると思っている」と玉城監督。74回連続出場の伝統校が、目標の本戦での3年ぶりシード権獲得へ視線を向けた。

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