坂本冬美、デビュー35周年新アルバムは「愛憎ドロドロ」名曲集…「わかれうた」「恋人よ」など11曲

「情念」がテーマのコンセプトアルバム「Love Emotion」を発売する坂本冬美
「情念」がテーマのコンセプトアルバム「Love Emotion」を発売する坂本冬美

 歌手の坂本冬美(54)が、27日にデビュー35周年第2弾企画の新アルバム「Love Emotion」を発売する。同作は「情念」をテーマにしたコンセプトアルバム。「わかれうた」(中島みゆき)、「恋人よ」(五輪真弓)など11曲が収録される。坂本はスポーツ報知の取材に「歌が私の全て」「悔いのない人生だった!と思えるように」と決意表明。カバーの心得なども語った。(加茂 伸太郎)

 デビュー35周年を迎えた。坂本は「(コロナ禍の)こういうご時世にアルバムを出せるわけですから。とても幸せですし、恵まれた歌手だと思います」と謙虚に語った。決して驕(おご)らず、周囲への感謝を惜しまない。デビューから一貫している姿勢だ。

 今作のテーマは、「情念」。感情が刺激されて生ずる想念、抑えがたい愛憎の感情を意味する。サザンオールスターズ桑田佳祐(65)から楽曲提供を受けたシングル「ブッダのように私は死んだ」(20年11月)が制作のきっかけになった。同曲は悲しくも美しい愛に生き、愛に死にゆく一度きりの大人の恋を描いたナンバー。代表曲「夜桜お七」を始め、情念を歌った演歌はあるが「情念ポップス」を集めた作品がなかったことから企画された。

 「結婚まで至らなくても、人を愛したり、傷ついたりはありますから。そうした経験は生かされていると思う。本能のままに生きづらい世の中だけど、歌の世界だけでもドロドロとした世界を感じてほしい」。1970年代から2000年代まで、各年代ごとにバランス良くラインアップ。自ら「歌いたい」と熱望した平井堅の「哀歌(エレジー)」など全11曲が収録された。

 うれしい出来事が制作過程で待っていた。「ヒナギク」を作詞・作曲した鬼束ちひろと初対面。レコーディングに立ち会ってくれた。「数年前、アレンジャーを通して『坂本冬美さんのために書いた』とこの曲を持って来てくださったんです。結果的に鬼束さんが(18年に)お歌いになったけど、当時はタイミングが合わず、レコーディングできなかった。歌のイメージから想像してすごい人が来るのかなと思ったら、かわいらしい女性。驚きましたね」

 09年に歌ったビリー・バンバンの「また君に恋してる」が大ヒットを記録した。その後も「Love Songs」シリーズ、「ENKA」シリーズなどカバーアルバムを多数リリースしている。カバーの名手として「私があちら側に行くのではなく、私に寄せるイメージ。私が歌うからには(曲から)私そのものが見え隠れしないと面白くないですから」と心得を語った。

 節目の年を迎え、坂本は「私に何が残っているのか」と自問自答する。「若い時には結婚もしたい、子供もほしいと思ったことはありました。今さら後悔しても仕方がないけど、仕事を選んできたことはあります…」。わずかな沈黙の後、再び話し始めた。

 「やはり、歌が私の全てなんです。坂本冬美の人生といえば歌しかない。ヒット曲が自分の子供みたいなもの。歌を全うしなければ、中途半端な人生に終わってしまう。行くところまで行って、歌手としても、坂本冬美個人としても、悔いのない人生だった!と思えるようになりたいですね」。今作には強い覚悟が宿る。

 ◆中高ソフト部、東京金に「勇気」

 〇…坂本は、地元の和歌山・上富田中学と熊野高時代にソフトボール部で捕手としてプレー。東京五輪で金メダルを獲得した日本代表の活躍にくぎ付けになった。「コロナ禍で、あれだけ素晴らしい姿を見せてくれた。諦めないで頑張る姿に生きる力、勇気をもらいました。私も聴いてくださる方々の魂を揺さぶるような歌を歌いたい、と思いました」と刺激を得ていた。

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