【駅ペン】箱根予選会 無観客、周回コースだから見える「心強い」仲間からパワーをもらえる

スポーツ報知
昨年の予選会の様子

◆報知新聞社後援 第98回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)予選会(23日、東京・立川市陸上自衛隊立川駐屯地内周回コース=21・0975キロ)

 第98回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=来年1月2、3日)の予選会(報知新聞社後援)は、23日午前9時35分に号砲が鳴る。41校が出場し、ハーフマラソン(21・0975キロ)の上位10人の合計タイムで10枠の本戦出場権を争う。

 例年は東京・立川市の陸上自衛隊立川駐屯地をスタート、国営昭和記念公園ゴールのコースで行われているが、新型コロナウイルス感染防止対策として昨年に引き続き、今年も無観客で駐屯地内の周回コースで開催。学生ランナーは静かなる立川から「箱根への道」を走る。

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 周回コースに変更されて2度目の箱根予選会。私が現地で見るのも2年ぶりになるが、昨年の取材で印象に残った言葉がある。

 「すごく心強いなあ、って思いながら走れたんですよ」

 前回、史上最速記録でトップ通過を果たした順大の清水颯大主将(現・大塚製薬)がポロリと口にした。雨が降りしきり、初の無観客となったレース。異例という言葉で埋め尽くされた立川決戦で、いったい何が「心強かった」のか。

 「仲間が、ずっと視界に入ってて。多分、普通の予選会だったら、みんな見えなくなるじゃないですか。でも、選手もスタッフも近くに感じられた」

 見通しの良い1周約2・6キロ。集団走をしていない選手もカーブなどで姿をとらえられ、「一緒に走っている」感覚はどんなレースよりも大きく感じられる。外周や給水ポイントには人数制限こそあれ、スタッフがボードを使って毎周のように指示を出す。市街地や公園内を使う従来のコースに比べて、より“団体戦”に近い予選会になったのだと感じた。

 一方、そんな言葉を聞いた順大出身の私こそ、後輩たちの姿が「心強かった」。晴れていたら、観客がいたら、公園内を走れたら―。いつもと違う、というだけでネガティブなことを考え出したらキリがない。トップ通過という結果ももちろんあるだろうが、前向きにレースに臨めたからこその成績だったと思う。なにより、母校が「仲間と走ることにパワーをもらえるチーム」であることが誇らしかった。

 20キロ超を1人ずつ足し算していく箱根駅伝と、21・0975キロ×チーム上位10人で同時に争う予選会。どちらも仲間のために走ることは変わらないし、見かけ上もほとんど足し算か、かけ算かの違いしかない。だが、心が折れそうになった時、苦楽を共にした仲間が心の中ではなく、すぐそこにいるのが予選会。1人ならあきらめる場面でも、心強い仲間となら自分の限界を超える好機に満ちている。駅伝以上に駅伝。そんな意味合いが大きくなった予選会こそ、もしかしたら真の駅伝力が試されているのかもしれない。(箱根駅伝担当・太田 涼)

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