◆高校野球秋季東北大会2回戦 花巻東11―1東日本国際大昌平(21日、石巻市民球場)
2回戦6試合が行われ、ベスト8が出そろった。花巻東(岩手)は東日本国際大昌平(福島)に11―1で6回コールド勝ちした。佐々木麟太郎一塁手(1年)が4回に2ランを放ち高校通算本塁打を47に伸ばすなど強力打線で勝利した。仙台育英(宮城)は、盛岡大付に逆転勝ち。兵庫・淡路島出身の3番・岡田大成一塁手(2年)が決勝打を含む2安打1打点の活躍だった。両校は23日の準々決勝(石巻市民)で激突する。
1年生が東北大会でも実力の高さを示した。3―0で迎えた4回2死二塁。左打席に立った花巻東の佐々木麟が、高めに浮いてきた外角直球に逆らわずにバットを出した。低弾道で伸び続けた打球は、あっという間に左中間スタンドの深部へ吸い込まれた。
東北大会デビューを高校通算47号で飾り、「俺に任せろ、という気持ちで打席に入っていました。しっかりと外角を張って打つことができたと思います」と満足そうに笑った。石巻市民球場は右翼から左翼方向に風が強く吹いていた。父である佐々木洋監督(46)からは、「左打者は右翼ポールがバックスクリーンにあるイメージで打ちなさい」と指示を受け、佐々木麟含めた先発の左打者7人がしっかり逆方向の打撃への意識を強めて、東日本国際大昌平に10安打で打ち勝った。
183センチ117キロの恵まれた体で、前代未聞のペースで本塁打を量産する怪物スラッガーだ。高校通算本塁打111本の日ハム・清宮幸太郎(早実)だが、1年時で22本。高校入学から約半年の佐々木麟の47本は、驚異的なペースだ。
初優勝を狙う今大会に向け、調子を上げてきた。夏終了時では22本だった。秋の県大会決勝前に右薬指を骨折したが、佐々木監督は「そこで一度指に力が入らなくなり、逆にどんどんホームランが増えるようになった」と力みの改善を明かした。練習試合などでは1日2本ペースで打ち続けてきた。
準々決勝は昨秋の準決勝で惜敗した仙台育英へのリベンジに挑む。「自分がチームのために、岩手のために打つ」(佐々木麟)。次戦も18年以来のセンバツにつながるアーチに期待がかかる。(小山内 彩希)