【巨人】愛された男・亀井善行、4年前に一度引退を決断 昨年内股に10か所も注射…担当記者が見た

スポーツ報知
17年6月18日、ヒーローインタビュー中に涙を見せるサヨナラホームランの亀井

 巨人の亀井善行外野手(39)が21日、都内で会見し、今季限りでの現役引退を表明した。巨人一筋17年、勝負強い打撃と高い守備力で愛された男は、「よく何度もはい上がった。自分を褒めてあげたい」と、目を潤ませながら語った。故障に苦しみながらも幾度となくファンを魅了してきた背番号9が引退を決めた経緯を、長く巨人担当を務めた水井基博記者が「見た」でひもとく。

 既に、5月には引退を決めていた。なのに、正確には言えなかった。夏前、亀井は妻・愛さんに、「もしかしたら覚悟はしといてくれ」とだけ伝えた。「家族には一番最初に伝えなきゃいけないんだけど、引退することが怖くてなかなか言えなかった。辞めることが想像できなかった」。9月に入り、遠回しに辞めることを打ち明けた。「よく頑張ったね。お疲れさま」。実感した。肩の荷がスーッと下りた。

 決断した、その5月。いつになく元気のない声で、「俺、今年で辞めるわ」と切り出された。打率は1割台と低迷し、自身のパフォーマンスに嫌気がさしていた。まだできる。もったいない。シーズン終わってからでも遅くはない。全力で止めた。30分は話したか。「でも、股関節が思うようにならんのよ。頑張って何とか動くようにするけど、もう、ボロボロや」

 14年に右手人さし指の第1関節を骨折。復帰を急いだ分、現在もありえない方向に曲がっている。それ以前に鼻を折ったり、足の捻挫、肉離れ、ネガティブ思考な心の病にも陥り、人間不信にもなった。実際、17年を終えた頃、一度は引退を決めた。球団幹部にまで思いを告げている。そのオフからだった。「新しいことに挑戦して、ダメなら次は諦める」

 股関節の可動域を広げるトレーニングでよみがえった。成績はV字回復。だが、昨年9月、その股関節を痛めた。左脚内転筋も含めて肉離れは3か所。治療の注射を一度に10か所も打った。「こんな所に注射って考えられる?」。内股を指した。ゾッとした。1月の自主トレで「しっかりトレーニングは積んできたけど完全には治らなかった」。半信半疑でのシーズンインだった。

 9月。打撃の調子は上がってきた。しかし、気持ちに変化はなかった。「今年で辞めるよ。気持ち? 変わることはない。もう十分だよ」。17年オフとは違う、やり切った表情だった。「あともう少し、頑張るよ」。見据える先には日本一がある。巨人ひと筋17年。FA権を持っても揺るがなかった背番号9の、最後の雄姿を見届けたい。(水井 基博)=08~18年・巨人担当=

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