【広島】栗林良吏、残り6試合で新人記録まで2 支えるのは“ダメダメ”のマイナス思考

スポーツ報知
栗林良吏

 12球団が残り数試合を残すだけのシーズン終盤。いまだ決まらない両リーグの優勝チームとともに、混迷を極めるのはセ・リーグ新人王争い。今季の野球界を大きく盛り上げた阪神・佐藤輝の功績は大きいが、広島の守護神・栗林、DeNAで4番を務める牧、9勝でリーグ優勝をけん引するヤクルト・奥川の3人に絞られたと言っていいだろう。

 成績だけをみると、筆頭にいるのは栗林。チームは、大逆転のCSの可能性は残しているものの、現時点でBクラスに低迷する中で15年のDeNA・山崎の新人記録に、あと2つに迫る35セーブ。新人として開幕からの記録として日本記録となる22試合連続無失点を記録。現在は歴代単独3位の18試合連続セーブ(日本記録は98年の横浜・佐々木主浩=22試合)を継続中だ。

 特筆すべきは0点台の防御率。16日の巨人戦(東京D)でプロ初の2失点を喫したことで0・72となったが、その直前は0・37にまでなった。過去に防御率0点台を記録したリリーフは97年に防御率0・90で38セーブ、98年に防御率0・64の45セーブで横浜を日本一に導いた佐々木や、02年に防御率0・78で38セーブの西武・豊田清がいるが、プロ野球史を見ても新人・栗林の成績は“異常値”だ。

 その当人を支えているのは「マイナス思考」。東京五輪で準々決勝・米国戦の延長10回、無死一、二塁から始まるタイブレークで無失点に抑え、金メダルの道を切り開いた快投は記憶に新しい。強心臓に見える裏側に「1点取られたらダメ、走者がいるときに本塁打はダメ。そういうダメな方を考える方が多い」という思いを抱きながらマウンドに上がっているという。「そこは自分も意識的に変えていかないといけないとは思う」とは言うが、その“ダメダメ精神”で今の成績を生み出してきた。

 大逆転のCS進出に向け、3ゲーム差の3位・巨人が残り3試合。18日の阪神戦(甲子園)で痛恨の1敗を喫した広島が残り6試合の中で“逆マジック”は「3」と風前のともしびには変わりないものの、巨人と最大15ゲーム差の“ダメダメ”の状態からの今がある。五輪後の後半戦2か月だけで自身のセーブのほぼ半分を占める17セーブと量産する守護神の存在、メンタルがチームの希望の光となり、その先に揺るぎない新人王のタイトルが待ち受けている。(プロ野球遊軍・畑中 祐司)

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