◆JERAセ・リーグ 阪神11―0ヤクルト(19日・甲子園)
阪神が16安打11得点と圧勝し、首位・ヤクルトに1・5ゲーム差に迫った。
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阪神は開き直ったかのような思いきった戦いだった。初回に近本が3ランを放つまでわずか6球。積極果敢に仕掛ける意識が浸透していた証拠だ。中盤以降も着実に追加点を奪い、久々に躍動感あふれる攻撃を見た。
大山、佐藤輝を外した打線は迫力を欠くように思えた。だが、矢野監督は状態の良い選手を並べる決断を下したのだろう。結果的に島田、木浪ら抜てき組が得点に絡んだ。捕手も6試合連続で坂本を使うなど、ここに来て腹をくくった用兵になっている。
まだヤクルト優位の状況は変わらないが、心理的に言えば、追う方が余裕はある。20日の直接対決は今季最終戦ぐらいの心構えを持ち、総力戦で挑むべきだ。ここで勝利をつかめば、逆転優勝の可能性が出てくる。(スポーツ報知評論家・安藤統男)