SH流大、プロップ中島イシレリが空白期間を経て帰ってきた…連載「ジョセフJAPAN 2021秋の挑戦」(5)

スポーツ報知
2019年W杯で得た経験も武器にして巻き返しを図っていく流大

◆ラグビー ▽テストマッチ 日本代表―オーストラリア代表(23日13時45分キックオフ、昭和電工ドーム大分)

 23日のオーストラリア代表を始めとした秋のテストマッチ4連戦を控えるラグビー日本代表は現在、大分・別府市で合宿を行っている。21日には試合に臨むメンバーが発表される。「ジョセフJAPAN 2021秋の挑戦」と題した連載を掲載中。第5回は19年W杯後、コロナ禍で活動できない期間などで悩み、けがを負いながら戻ってきた選手たちに注目した。

 宮崎の青空の下で、よく通る大きな声が帰ってきた。報道陣に公開された12日の宮崎合宿。19年W杯は全5試合先発のSH流大(東京サントリーサンゴリアス)はプレーの合間で仲間の名を呼び、「いこう! いこう!」と声を掛けて前を向かせた。

 今年4月に発表された21年度日本代表候補に流の名前がなかった。トップリーグ(TL)では先発出場を続けていた時期。異例の辞退だった。

 「W杯後と翌年までモチベーション高くやっていたが、夏、秋のテストマッチが(コロナ禍で)なくなり、準備してきたものがなくなって、どうしていいか分からなくなった」

 ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)とオンライン面談もした。4年に1度、結成されるスター軍団のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとの一戦が重要なことも分かっていたが、1週間考えても「モチベーション的に難しい。心も体も100%じゃないと代表に参加すべきじゃない」との結論は変わらなかった。

 TL終了後、ラグビーと距離を置き、欧州遠征の2戦はリアルタイムでは見なかった。今までにないオフは「子供たちのために、オンラインでもできることを」10個ほど計画。実現に至らなかったものもあったが、帝京大の後輩NO8姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)とのオンラインイベントでは、目をキラキラ輝かせる子供たちから元気をもらえた。6月が終わろうとした頃から、徐々に代表への意欲を取り戻していった。

 自ら決めた休養からの復帰で、「経験は他の選手よりあるけど、アドバンテージはない。一からやっていかないといけない」と現状を受け止めている。自身が不在だった期間に所属の後輩、斎藤直人が代表デビュー。19年W杯メンバーの茂野海人(トヨタヴェルブリッツ)と3人でポジションを争うことになる。

 「(斎藤は)能力があるのは分かっていたし、あれくらいのプレーをするのは普通。直人も海人さんも、できることはやっていたと思う。ただ、(代表戦での)トライの取られ方が簡単だったので、防御の統率やコミュニケーションがどうだったか気になる」

 グラウンド外からコミュニケーションを図っていくのは得意な部分だ。自ら決めて、代表に戻った以上、23年W杯フランス大会を目標に切磋琢磨していく。

 盛り上げ役も戻ってきた。常に明るいプロップ中島イシレリ(コベルコ神戸スティーラーズ)は「うれしいです」と笑顔を見せる。TL終了後に右膝の手術を受けた影響で、春の代表活動には参加できなかった。「翌日には歩けた」という程度の簡単な手術で、しっかり3週間休み、膝周りの強化をしてきた。

 「みんなキツい、キツい、って言う。その通りですね、と話している。目標があるから、それに向かってみんなトレーニングをする。楽しい。今までの一番を出したい」

 代表ならではの厳しさも楽しみに変えて、再び桜のジャージーに袖を通す。(大和田 佳世)=おわり=

スポーツ

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請