祖母は南関東の伝説の女傑ロジータ 孫のカンピオーネのデビュー戦に見た面影

スポーツ報知
引退レースの1990年の川崎記念を制したロジータと野崎武司騎手

 10月16日の新潟5Rの2歳新馬(ダート1800メートル)で、カンピオーネ(牡、美浦・栗田徹厩舎、父ヘニーヒューズ)がデビューした。結果は3/4馬身差の2着だったが、出遅れを跳ね返して、最速の上がり38秒5をマークするなど、見どころたっぷりの内容だった。

 その首の低いフォーム、果敢に前を狙う走りを見て、祖母のロジータ(父ミルジョージ、母メロウマタング)を思い出した。同馬は、1989年に牝馬として初めて、牡馬を倒して南関東のクラシック3冠を制した。引退レースとなった1990年2月の川崎記念は、単勝が1・0倍という圧倒的な支持に応えて2着に1秒6差をつける圧勝。1年半たらずの現役生活は15戦10勝。南関3冠馬となった秋にはオールカマー(5着)、ジャパンC(15着)にも挑戦した地方競馬きってのアイドルホースだ。

 繁殖牝馬としての生活を終え、生まれ故郷の高瀬牧場(北海道新冠町)で余生を送っていた2016年12月に天国へ旅立ったが、その30歳での大往生が発表されたのは翌2017年の11月だった。功労馬の死があまりのショックだったため、牧場主は周囲に話す決心がつかず、約1年がたって、ロジータ記念(同馬の功績をたたえて90年に創設された川崎競馬の名物レース。17年は11月8日に行われた)が近づき、なんとか心にひと区切りをつけての報告となった。

 発表された日から4日間、川崎競馬場に献花台が置かれ、多くのファンが花を添えに訪れたが、その中には現役時に主戦を務めた野崎武司元騎手の姿もあった。15戦すべての手綱を執った同馬の引退後も、牧場に訪れており、「年々、元気がなくなっていましたけど、よく頑張りました」と、その死を悼んでいた。現役時はレースのたびにかなりのプレッシャーを感じていたが、「プロとしての心構えを教えてもらった。感謝しかありません。安らかに眠ってほしい」と、静かに手を合わせる姿は今でも思い出される。

 繁殖牝馬としても優秀で、イブキガバメント(朝日チャレンジC、鳴尾記念)、カネツフルーヴ(帝王賞、川崎記念など)など重賞ウィナーを生んだ。その優秀な血は、初子のシスターソノ(現役時10戦2勝、JBCクラシックなどを制したレギュラーメンバーの母)などを経て、子孫に受け継がれている。

 栗田徹調教師は、カンピオーネのデビュー戦の走りに「正直びっくりした。砂をかぶっても平気だったしね。もう、伸びしろしかない」と素質を高く評価している。次走は、10月31日に新潟で行われる2歳未勝利(ダート1800メートル)を予定。初戦と同じコースで初勝利を挙げ、さらなる上のステージへ突き進み、祖母ロジータの名を高めることができるか。(志賀 浩子)

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