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【西武】松坂大輔、涙の引退会見「ボールを投げることが怖くなってしまった」

スポーツ報知
引退会見で涙を流す松坂

 西武の松坂大輔投手が19日、引退試合を前に埼玉・所沢の球団事務所で会見に臨んだ。

 久しぶりのユニホーム姿で登場すると、背筋を伸ばし、笑顔で席に着いた。「今日が来て欲しいような来て欲しくないようなそんな思いがあったんですけど…現実では、すっきりしてないですかね。この後投げることになってるし、投げることができて、そこで、自分の気持ちもすっきりしたいなと思っています」と現在の心境を明かした。

 右手のしびれが強く出るようになって、昨年7月、「脊椎内視鏡頚椎(けいつい)手術」に踏み切った。コロナ禍で、トレーニングも治療もままならず、精神的にも苦しくなり、手術を決断したが、回復の傾向は見られなかった。「リハビリしても症状が改善しなかった。これはもう投げるのは無理だと。やめなきゃいけないと思った」と引退決断の理由を語った。

 ファームでの試合で投げられるかも、と話した矢先のことだった。ブルペンの投球練習中に、投じたボールが右打者の頭の方に抜けた。「なんの前触れもなくて。普通は『抜ける』と思ったら、指先の感覚でひっかけたりするけど、それができないぐらいの感覚のなさだった。たった1球でボールを投げる事が怖くなってしまった」。この1球で、山あり谷ありの23年間の野球人生に幕を下ろす決断を下した。「野球を好きなまま終われてよかった。もう十分やったじゃん、長い間、お疲れさま」と言い聞かせるように自らをねぎらった。

 「ファンに一番最初に見せたい」と本人の強い意志で会見では背番号18を披露しなかった。時折、涙を浮かべ、言葉を選ぶように、ゆっくりと素直な思いを話した松坂。引退のマウンドを数時間後に控えた右腕は「ほんとは投げたくなかった。でも、最後にユニホーム姿でマウンドに立つ松坂大輔の姿を見たいと言ってくれる方々がいた。どうしようもない姿かもしれないけど、最後の最後全部さらけ出して見てもらおうと思いました」。所沢へ詰めかけたファンに最後の雄姿を披露する。

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