ペア三浦璃来・木原龍一組が語った「相性の良さ」と「120%の信頼」 北京五輪団体初メダルへ

スポーツ報知
フリー演技をする三浦(左)、木原組=丸善インテックアリーナ大阪(代表撮影)

 フィギュアスケートの北京五輪シーズンは、GPシリーズ第1戦のスケートアメリカ(22~24日、ラスベガス)から本格的な幕開けとなる。スポーツ報知では、2022年北京ロードを歩むスケーターを特集。「GO TO 北京」と題し随時掲載する。第1回は、9月のオータム・クラシック(カナダ)で国際大会初優勝を飾ったペアの三浦璃来(19)、木原龍一(29)組(木下グループ)。五輪の団体戦で日本初メダル獲得へ鍵を握る成長著しい2人が競技の魅力や出会いを語った。(取材、構成=高木恵、小林玲花)

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 璃来と龍一で「りくりゅう」ペア。いまや愛称がしっくりくる10歳差の人気ペアが、北京五輪へ絶好のスタートを切った。初戦のオータムクラシックで国際大会初優勝。ショートプログラム(SP)フリーともに自己ベストを更新し、204・06点をマークした。

 木原「2人で『この時期から試合ができることがうれしいね』って話しながら開幕したシーズンでした。すごくいろんな方からお祝いの言葉だったり、反響があってビックリしました」

 三浦「結果を出そうとするんじゃなくて、自分たちがどういう演技をするか、その過程を大事にするようにとコーチが言ってくれて。今季はそれを大切にしていきたいです」

 昨季はコロナ禍で3月の世界選手権(ストックホルム)が初の実戦となった。1年3か月ぶりの試合で10位に入り、北京五輪の出場枠を獲得した。

 木原「コーチから『お前達は世界のトップ10に入るから練習から手を抜くな。もっと自分たちはトップ10に入る者なんだと意識しろ』って普段から言われていて。コーチは120%信頼しているけど、それに関しては『ほんとかよ』って2人ともちょっとあったかな」

 木原は14年ソチ五輪、18年平昌五輪は他の選手と組み代表となったが、前年の世界選手権で枠を確保出来たのは初めて。日本のペア界にとっての快挙だった。

 木原「自分たちが世界と戦う自信は確実につきました。このままやっていけば大丈夫だという自信は今、2人とも持っています」

 新型コロナウイルス禍で3月末に帰国後、9月に入るまで拠点のトロントに戻れなかったが、オフは持久力トレーニングを増やし、プログラムの通し練習も増やした。氷上では息がピッタリな2人だが、陸上ではたまにのすれ違いもあり。

 木原「趣味とかは合わないですし…」

 三浦「2人とも頑固なんで」

 あんぱんを巡り険悪な雰囲気になったことがあった。木原が日本食のスーパーであんぱん(つぶあん)を購入。日本の味が恋しいだろうと、三浦を思いやり差し出したときのことだった。

 三浦「『私こしあん派』って言いました(笑い)」

 木原「このやろーと思って(笑い)。そんな日常です」

 木原に三浦が声を掛け、19年8月に新ペアが誕生した。初めて一緒に滑ったとき、相性の良さに驚いた。

 木原「感触やスピード感。ここまで相性が合う方がいるんだなって思ったのを覚えています。特にツイストリフトっていう、女性を真上に投げる技のときにお互い相性の良さを感じました」

 三浦「最初の技がツイフトリフトだったんですけど、感じたことのない高さで、『空中時間ってこんなに長いんだ』って思いました。2人ともスピードが大好きで、スケーティングの一歩一歩も本当に合っていた」

 結成3シーズン目。互いへの信は増すばかりだ。

 木原「お互いが滑りたいよう滑れる。とにかくスケーティングは全て合うと思います。氷上は絶対信頼できるパートナーですし、兄妹みたい。不満はゼロです」

 三浦「信頼感があるこそ、3年目でここまで来られたと思います。技の面は本当に120%信頼しています。久しぶりに氷に乗ったときは、怖くなってしまうんですけど『絶対落とさないから。下敷きになってあげるから』って言ってくれるので、リフトもツイストもスローも何も怖くないです」

 日本ではまだ競技人口が少ないペア種目の魅力を、多くの人に知って欲しいという思いは強い。

 三浦「『かっこいい』って小さい頃から思っていて。『持ち上げられてる楽しい!』『投げられてる楽しい!』ってずっと思っていました。2人で1つで表現していく。そこもカップル競技の魅力の1つだと思います」

 木原「技1つ1つがダイナミックで、決して1人じゃできない。リフトだとか立体的な技を生で見てもらったら、ものすごく迫力があると思うんです。ぜひ興味を持っていただけたら」

 北京五輪は国内にライバルが見当たらず、代表は確実視される。五輪団体で日本は2大会連続の5位。男子や女子は世界のトップレベルに位置しており、カップル種目が日本の団体戦初のメダル獲得のカギを握る。

 木原「僕たちペアが強くならないといけないという一心でやってきました。北京五輪で今までで一番いい演技ができるようにしたい」

 三浦「毎試合成長できるように。五輪では自分たちの最大限を出せるように頑張りたいです」

今季GPシリーズはスケートアメリカ、NHK杯(11月12日、代々木第1)に出場する。

 ◆三浦 璃来(みうら・りく)2001年12月17日、兵庫・宝塚市生まれ。19歳。5歳でスケートを始める。2015―16年シーズンからペアに転向し、市橋翔哉と組む。19年8月に木原龍一と新ペアを結成した。幼い頃は空手を習っており、得意技は回し蹴り。145センチ。

 ◆木原 龍一(きはら・りゅういち)1992年8月22日、愛知・一宮市生まれ。29歳。中京大卒。4歳からフィギュアスケートを始めシングルで2010年全日本ジュニア選手権2位。13―14年シーズンからペアに転向。高橋成美と組み14年ソチ五輪、須崎海羽と18年平昌五輪出場。174センチ。

 ◆ペア 国際スケート連盟(ISU)の競技ルールでは、「1人の女性と1人の男性から成る2人組」と定められている。シングル同様ショートプログラム(SP)とフリーがある。技は男性が空中に女性を投げてジャンプに導くスロージャンプや、男性が女性を頭上に高く投げ、回転を終えて降りてくる女性を受け止めるツイストリフトなどが特徴的。フィギュアで最もダイナミックかつアクロバティックな競技と言われる。

 ◆五輪でのフィギュアスケート団体戦 男女シングル、ペア、アイスダンスの4種目中3種目以上の出場枠を持つ国と地域で、国際スケート連盟(ISU)の各種目ランク合計上位10か国が参加。予選と決勝で選手を交代することができる。ショートプログラム(SP)、リズムダンス(RD)で1位から10位までに10~1点が与えられ、4種目の合計上位5チームがフリーの決勝へ。予選と決勝の合計得点で順位が決定する。

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