SH斎藤、BKフィフィタら“新鮮力”の現在地…連載「ジョセフJAPAN 2021秋の挑戦」(1)

スポーツ報知
7月のアイルランド戦で活躍した斎藤は秋の活動で真価を問われる

▽テストマッチ 日本代表―オーストラリア代表(23日13時45分キックオフ、昭和電工ドーム大分)

 ラグビー日本代表は23日に昭和電工ドーム大分でオーストラリア代表と対戦する。2019年W杯以来となる国内でのテストマッチに向け、16日から大分・別府合宿に入った。23年のフランスW杯を見据えるが、コロナ禍で様々な制約がある中で迎えるW杯中間年の秋は、チーム、個人にとって現状を把握する重要な時期となる。スポーツ報知では「ジョセフJAPAN 2021秋の挑戦」と題し、数回にわたりテーマ別で選手の状況を伝える。第1回は「新鮮力の現在地」。

 今春、念願の代表デビューを果たしたSH斎藤直人(東京サントリーサンゴリアス)は「4試合9番をつけて出ること」を目標に掲げる。12日の練習公開時は全体練習に加わらず、コンディションが心配される。だが、丸刈りに一新した姿に熱い気持ちが込められている。

 神奈川・桐蔭学園高、早大と歩んだ期待の逸材は、21年春に代表活動初参加。欧州遠征2試合目の7月3日アイルランド戦で、初めて桜の9番を任された。苦手意識のある防御の統率は、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)に直接指導を仰いだ。ハーフ団で組んだSO田村優(横浜キヤノンイーグルス)と「代表クラスはここまでやるんだ、具体的に試合をイメージして準備するのに驚いた」と入念な準備をして臨んだ。そんな大一番での1つのミスが大きく心に刻まれた。

 24―19の後半5分過ぎ、相手防御の背後を狙ったキックが直接タッチラインを割る、ミスキックになり、そこで生まれた相手ラインアウトから再逆転を許した。1つのプレーで流れが変わる怖さを思い知らされた。試合のことを思い返すたびに、初先発初トライの喜びよりも、先に悔しさが口をつく。

 「アイルランド戦ではプレッシャー下でミスをしてしまった。スペースがあっても蹴れるスキルがないと意味がない」

 長期間オフを取るのは苦手だ。春の遠征から帰ると「本能に任せて」4日体を動かし3日休むペースで調整。強みのパススピード、キックの精度アップに磨きをかけた。「この2か月、スキル面は自分次第で伸ばせると思ったので、かなりやってきたつもり。やることを明確にしてグラウンドに入って、(課題を)終えてから出るようにした」と日々、反復練習に取り組んだ。

 今秋は定位置を争うライバル、2019年W杯全5試合先発の流大(東京サントリーサンゴリアス)が戻ってきた。所属でもポジションを争い、昨季トップリーグ10試合(プレーオフ含む)で流が8試合、斎藤2試合先発だった。「理由は1つじゃないと思うが、発言や準備段階から引っ張るのは、大さんと比べて足りないところ。チームへの影響の与え方は学ばないと」と反省する。一方で、それが一朝一夕でいかないことも分かっている。周囲の信頼を得るために、まずはグラウンド内外で自分を磨き続ける。

 斎藤と同じく春シーズンに代表デビューしたシオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ)は「この体でもっと走れるようになりたい」とスピードアップを目指す。身長187センチ、体重105キロのパワー系ウィングは、初めて一緒にプレーした松島幸太朗(クレルモン)に衝撃を受けた。

 「スピードもランも、マツさんにボールを回したら何とかしてくれる。僕もそういう人になりたいと思った。福岡堅樹さんも引退したけど、あの2人にはすごく憧れている」

 天理大ではセンターが主戦場だった。ウィングは経験が浅い上、特に代表では守備範囲が広く、仕事量を多く求められる難しさもある。強化試合ではミスが出た。

 「キックを蹴ってチェイスしたりして、試合の後は疲れすぎてすぐ寝ちゃう。センターよりハードだけど、そういうところが楽しかった。毎日ディフェンスの練習をして、ジェイミーたちに見てもらった。みんながサポートしてくれるのが助かる」

 練習の成果は着実に現れた。ジョセフHCの「もっともっと良くなる、上を目指せ」を体現すれば、新たな日本代表のウィング像を作ることになる。

 今合宿でフィフィタ同様に鮮烈な印象を残したNO8テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス)はフィットネスが当面の課題だ。体のぶつけあいは圧倒的強さを誇るが、終盤「疲れる」のは、公称124キロの体重が原因で、故障の原因にもなっていた。

 太りやすい体質な上に、ご飯と肉が大好き。東海大時代は木村季由監督に「痩せないとプロップにするぞ」と小言を言われていた。欧州遠征を終えて帰国後、「1週間くらいは自分の好きなものを食べた。練習に戻ってからは、お腹が空いても晩ご飯を我慢した」と少し強引なやり方で体重を減らした。自慢の突破力に、機動力をアップさせて、さらなるインパクトを残したい。(大和田 佳世)

 ◆日本代表の秋日程
▽ 9月29日~ 強化合宿(宮崎)
▽10月16日~強化合宿(大分・別府)
▽10月23日 オーストラリア戦(昭和電工ドーム大分)
▽11月 6日 アイルランド戦(ダブリン)
▽    13日 ポルトガル戦(リスボン)
▽    20日 スコットランド戦(エディンバラ)

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