【箱根予選会展望】法大と明大がトップ候補…有力、圏内、微妙、苦戦は?…「箱根への道」ロングバージョン

スポーツ報知
2020年10月17日、予選会を走る各校の選手たち(陸上自衛隊立川駐屯地周回コース)

 第98回箱根駅伝の予選会(10月23日、東京・立川市)が直前に迫った。10枚の「箱根切符」をかけた争いは今回も熾(し)烈を極める。

 新春の箱根駅伝本戦は緊張感に加え、高揚感があるが、秋の予選会は緊張感しかない。私は東洋大の低迷期に4年連続で予選会に出場した。1~3年時は通過できたが、4年時は落選…。予選会に臨む選手の心情を少しは理解しているつもりだが、あえて大胆に予選会の行方を占いたい。

 昨年同様、今年もコロナ禍の影響で陸上自衛隊立川駐屯地内で開催。平たんな周回コースで高速決着が見込まれる。勝負の行方を占う上で、最も参考になる材料は、全日本大学駅伝関東選考会(6月19日)だ。

 全日本選考会は1万メートルで8人が出走し、8人全員の合計タイムで7枠を争った。箱根予選会はハーフマラソンで12人が出走し、上位10人の合計タイムで10枠を争う。競技方法は異なるが、いずれも母校を背負う重圧がある。まさに駅伝。「速さ」に加えて「強さ」が求められることは共通している。

 全日本選考会では東京国際大が1位、国学院大が2位で通過。両校は箱根シード校で今回の予選会とは無縁だ。さらに出雲駅伝(10日)では東京国際大が初出場初優勝、国学院大が4位と実力を見せつけた。

 ◆有力

 全日本予選会で3位の法大、4位の拓大、5位の中大は安定感がある。昨季の全日本の本戦3位でシードを獲得しながら箱根は11位でシードを逃した明大を含めた4校は箱根予選会突破が有力だろう。

 法大は練習の一環として出場した日体大長距離競技会1万メートル(9月20日)でエースの鎌田航生(4年)をはじめ10人が好走。仕上がりが良く、トップ通過の可能性もある。

 明大は鈴木聖人(4年)、手嶋杏丞(4年)ら主力が順当に登録メンバー入り。やはり、トップ通過の候補に挙がる。

 中大も森凪也(4年)、三浦拓朗(4年)、吉居大和(2年)ら主軸が登録メンバーに名を連ねており、順調にチームは仕上がっている。

 拓大はジョセフ・ラジニ(3年)が9月20日の日体大長距離競技会1万メートルで27分25秒65の日本学生記録をマーク。昨年の箱根予選会では個人トップ。今年もタイムを大きく稼ぎそうだ。今春から本拠地が東京・調布市から東京・八王子市に移り、練習環境が格段に向上し、主将の合田椋(4年)をはじめ、チーム全体の力が上がっている。

 ◆圏内

 有力の4校が順当に突破を果たした場合、残るは6枠。中央学院大、国士舘大、日体大、神奈川大、城西大、駿河台大、山梨学院大、専大、大東大、上武大の10校が6枠を激しく争うと見る。

 突破圏内の10校は、それぞれプラス材料とマイナス材料を抱える。

 中央学院大はエースの栗原啓吾(4年)が今季絶好調だが、前々回の箱根駅伝6区5位の武川流以名(3年)が登録メンバーから外れた。前回、12位で敗退し、19年ぶりに本戦出場を逃した川崎勇二監督(59)は「箱根駅伝予選会は何が起こるか分かりません」と厳しい表情で話す。

 名門の日体大は74年連続(74回目)の出場がかかる。87回連続出場(1925年~2013年、戦争による中断あり)の中大に次ぐ大会歴代2位の大記録で継続中としては最長。「伝統は力になります。その一方、連続出場を途絶えてはいけないプレッシャーもあります」と玉城良二監督(60)は神妙に話す。エースの藤本珠輝(3年)が故障のため、一時期、練習を中断しており、決して予断は許さない。

 神奈川大は集団走を得意としており、箱根駅伝予選会巧者だが、前回本戦1区4位の呑村大樹(4年)と同3区10位の川口慧(4年)が故障から復帰途上のため、登録メンバーから外れたことは痛い。

 悲願の初出場を狙う駿河台大は、まさにボーダーライン上に位置する。徳本一善監督(42)は「我々の実力は10位か11位。チーム8~10番手の選手の踏ん張り次第で勝負が決まる」と激戦を覚悟している。

 前回、7年ぶりに本戦復帰を果たした専大は昨年の予選会でチームトップの個人総合44位と好走した木村暁仁(2年)が登録メンバーから漏れたことは不安材料だ。

 3年ぶりの箱根路復活を期す大東大は上昇気配。しかし、チーム初の外国人留学生のピーター・ワンジル(1年)は他校の留学生に比べると実力が劣る。前半、ハイペースで突っ込むと、後半の失速が心配される。

 圏内の10校の実力は紙一重。大会当日の調子が明暗を分けることになる。

 ◆微妙

 日大、筑波大、立大、麗沢大、東農大の5校は、ボーダーラインのやや下という微妙な位置にいる。

 前回の箱根駅伝予選会でチーム史上ワーストの18位で大敗した日大は、前回チーム内2位(日本人トップ)で関東学生連合チームに選出された小坂友我(4年)、1万メートルでチーム3位の28分21秒52の自己ベストを持つ松岡竜矢(3年)が登録メンバーから外れた。

 中大、エスビー食品で活躍した上野裕一郎監督が率いて強化を進める立大は、主軸の服部凱杏(2年)が登録メンバー外。19年、20年に連続して次点に泣いた麗沢大はエースの椎野修羅(4年)が登録メンバーから外れた。いずれも突破への道のりは厳しい。

 ◆苦戦

 これまで挙げた大学以外は苦戦を免れないだろう。ただ、自らが100%以上の力を発揮した上で、上位校に複数のブレーキがあれば“ミラクル”が起こる可能性は残されている。

 気温、湿度、風。当日の気象コンディションも戦いの行方を左右する。「第10位、○○大学!」。関東学生陸上競技連盟の幹事長が高らかに呼び上げるまで、緊張の時間は続く。(竹内 達朗)

 ◇第98回箱根駅伝予選会展望

 ◆有力

 法大、明大、中大、拓大

 ◆圏内

 中央学院大、国士舘大、日体大、神奈川大、城西大、駿河台大、山梨学院大、専大、大東大、上武大

 ◆微妙

 日大、筑波大、立大、麗沢大、東農大

 ◆苦戦

 流通経大、亜大、慶大、育英大、武蔵野学院大、平成国際大、日本薬科大、桜美林大、関東学院大、明治学院大、東京経大

 ◆第98回箱根駅伝予選会開催要項

 ▽日時、コース 10月23日午前9時35分、東京・立川市の陸上自衛隊立川駐屯地を周回する公認コースのハーフマラソン(21・0975キロ)。

 ▽競技方法 全選手が一斉スタート。各校、10~14人の登録選手の中から10~12人が出場し、上位10人の合計タイムで争う。留学生は登録2人以内、出場1人以内。上位10校が本戦の出場権を獲得する。関東学生対校の成績による減算タイム(関東インカレポイント)は12年の予選会を最後に廃止された。

 ▽出場資格 登録選手全員が19年1月1日~21年10月10日に1万メートル34分以内の公認記録を有すること。

 ▽関東学生連合 予選会で敗退した大学の中から個人成績上位者を中心に選考。例年通り5月の関東学生対校の成績も考慮される。1校1人に限定し、本戦出場経験がない選手が対象。留学生を除く。本選ではチーム、個人ともに順位がつかないオープン参加となる。

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