工藤阿須加、農業と二刀流で収穫いっぱい 俳優デビュー10年目「アイの歌声を聴かせて」で声優初挑戦

スポーツ報知
キャンプが趣味で「お酒は全く飲まない」という工藤阿須加(カメラ・宮崎 亮太)

 俳優の工藤阿須加(30)が、アニメ映画「アイの歌声を聴かせて」(29日公開・吉浦康裕監督)で声優に初挑戦した。人間とAIが織りなす友情と絆を描く高校生の青春群像劇。ヒロインの幼なじみ・トウマの声を担当し「声優をやるのはずっと夢だった」と喜びをかみしめた。農家としての顔も持つ“二刀流”俳優は「今があるのは周りにいる全ての人のおかげ。愛される役者でいたい」と謙虚に誓った。(奥津 友希乃)

 幼い頃から「ドラゴンボール」シリーズなどを見て育った“大のアニメファン”。念願の声優デビューに「『ついにこういうお仕事をもらえる日が来た!』と正直興奮しました」と白い歯をのぞかせた。

 同作では、機械マニアでシャイな男子生徒・トウマを演じ、「監督は『100%トウマだ』と絶賛していました」(同作関係者)とお墨付きを得た。

 「最初はすごく不安で緊張しました。キャラクターの雰囲気を出すために自分なりに研究し、声を高めにしたり、少し震わせたり家で練習して。現場に行ったら監督が『いいね』と言ってくださって安心しました」

 初体験のアフレコでは、アニメ作品ならではの難しさにも直面した。

 「お芝居では、相手の目を見て声を聞いて、自分の心が動いたタイミングでセリフを言えるので、自分の間を持てる感覚があります。アニメは絵が出来上がっているので、感情を作り上げる間もなく物語が進んでいく難しさがありました」

 関係者向けの試写を観賞し「いざ自分の声を聞くと不思議な感じでした」と振り返りながらも、再チャレンジへの意欲をのぞかせた。

 「作品自体、映像もきれいで見終わった時はとても感動しました。プロの声優さんの技術に比べればすごく未熟ですが、機会をいただければ、作品のジャンルを問わずまた挑戦したいです」

 作中には、個性豊かな10代の少年少女が登場する。工藤自身は、テニスに打ち込むスポーツ少年だった。父はプロ野球・ソフトバンクの公康監督。「野球をやりたい気持ちも多少はあった」というが、小学5年から高校1年に肩を痛めるまでは、プロテニス選手を目指すほどの実力だった。

 「スポーツでかなえられなかった夢を別の道でかなえようと思って。映画『男たちの大和/YAMATO』(05年)を見てすごく心を動かされ、役者の道に興味を持ちましたが、すぐに覚悟は決まりませんでした」

 高校3年で読んだ、無農薬リンゴの栽培に成功した木村秋則氏の著書「奇跡のリンゴ」に感銘を受け、東京農大に進学。農産物の流通などを学び、最終的には役者を志す決意を固めた。

 「ずっと誰かのきっかけになりたかった。誰かに元気や救いを与えられる人間になりたいと常に考えていました。僕自身、映画に役者を目指すきっかけをもらったので、この世界がベストだと決断しました」

 デビューから10年目。好青年から悪役もこなし、着実にキャリアを重ねている。一方で、同作で演じた“好きなことにひたむき”なトウマと同じく、学生時代から熱心に学んできた農業に、今春から山梨県で本格的に取り組み始めた。

 「畑をやるのは高校生からの夢でした。コロナ禍で自分と向き合う時間が増え、しんどいかもしれないけど、リスクを背負ってでも今やるべきと思い、始めました」

 都心から山梨まで片道約2時間、電車に揺られ台本を覚える多忙な日々を送る。

 「両立は楽しいです! 今は大根など冬野菜を育てています。土地の環境を知り、自分の作ったものを『おいしい』って食べてもらえることが一番の醍醐(だいご)味ですね」

 真っすぐな瞳で役者としての心構えを語った。

 「みんなから愛される役者でいたいなと思います。オファーをいただいた役や作品を愛して、自分を必要としてもらえるように精進していきます」。取材後、腰を90度以上曲げお辞儀する姿に誠実な人柄がにじんでいた。

 ◆工藤 阿須加(くどう・あすか)1991年8月1日、埼玉県生まれ。30歳。12年、日テレ系「理想の息子」で俳優デビュー。同年映画「悪の教典」で銀幕デビュー。13年NHK大河ドラマ「八重の桜」に出演。18年フジ系「ザ・ブラックカンパニー」で連ドラ初主演。21年テレ朝系「緊急取調室」、映画「総理の夫」などに出演。父はソフトバンクの工藤公康監督、妹はプロゴルファーの工藤遥加。180センチ、血液型B。

 ◆アイの歌声を聴かせて 景部高等学校に転入してきた美少女・シオン(土屋太鳳)は、実は試験中の「AI(人工知能)」だった。クラスで孤立するサトミ(福原遥)の幸せをいちずに願うシオンの姿や歌声に、サトミの幼なじみ・トウマ(工藤)ら同級生も心を動かされていく。しかし、シオンが取ったある行動がきっかけとなり、大騒動へと発展する―。108分。

芸能

宝塚歌劇特集
NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請