スポーツ報知紙面で2016年から大好評連載中のコラム、仙道学編集委員による「仙ペン」が、WEBに登場いたしました! 時に叱咤(しった)あり、激励あり、涙に笑いと、巨人の「今」をあらゆる角度から分析します。また、仙ペンのピンチヒッター・星野和明編集委員渾身の「星一筆」も随時掲載します!
◆JERAセ・リーグ 巨人1―2阪神(12日、東京ドーム)
「来た選手を応援するだけですよ」―。何年くらい前からだろうか。ドラフトが終わるたびに糸井重里さんの、この言葉を自らに言い聞かせている。
ホントにそうだ。ドラフトの「正解」なんて誰にも分からない。今の時点でできるのは、ご縁があった選手たちにエールを送ることだけ。
とはいえ「くじ引き11連敗」は非常にヨロシクないと思う。何が悔しいって巨人が外すと喜ぶ人が大勢いること。ネットでも派手に扱われていた。人の不幸がそんなに楽しいか。
いや、ここまでツイてないとかなり面白いよ。今村球団社長がガックリした瞬間、僕も半笑いになってしまった。申し訳ない。
ただ、原監督でも球団社長でもダメだった現実は受け止めないと。くじ引き役の人選は来季への大きな宿題ですね。
個人的には元木さんを推したい。不思議な力で巨人のヘッドコーチまで上り詰めた人だ。断じて運だけでなったワケじゃない。だけど運があったのも事実。ドラフトで涙をのんだ過去があるのもいいじゃないか。
そんなわけでサッカー日本代表がW杯へ望みをつないだ夜、巨人の3連覇が完全消滅した。絶対に負けられない戦いが、そこにはもうない。
確かにV逸は時間の問題だった。にしたって崖っぷちに立ってからの連続オウンゴールはどうだ。崖っぷちと言えば、2時間ドラマの容疑者が最後の抵抗を試みる見せ場だよ。
なのに巨人ときたら無言のまま後ずさり。最後は足を踏み外してあっけなく転落した。敗者の美学もヤマ場もあったもんじゃない。
ポストシーズンへ気持ちを切り替えて…ということになるけど、これが難しいんだ。簡単に切り替えられるなら、とっくにできてるよ。せっかく惨敗したんだから、むしろ屈辱をコロっと忘れちゃもったいない。
それにしても9月以降の底抜けぶりは理由が謎。ドラフトでの「11連敗」に通じる何かがある。とりあえずベンチに塩でも盛るしかないのか。ここまで外し続けて負け続けて、そろそろ運気が変わってもいい頃だとは思うけど…。