【高校野球】11日運命のドラフト・有力選手紹介 札幌日大の147キロ右腕・前川佳央

キャッチボールをする札幌日大の前川
キャッチボールをする札幌日大の前川

 小1からぶれることなく抱き続けたプロ入りという夢の実現を、今春の道大会を制した札幌日大の147キロ右腕・前川佳央投手(3年)が願った。目前に迫るドラフト会議も「進路が決まるのかなという実感はちょっとずつ出て来たが、緊張してしょうがないという感じじゃない」。平常心の中、毎日学校のグラウンドに足を運び、体づくりに努めている。

 初めて生で見た試合が、プロを目指した根底にある。2010年、両親に連れられ、札幌ドームの日本ハム戦に行った。満員の観客の中、当時日本ハムのダルビッシュ有(パドレス)が投げる姿に感銘を受け、帰宅後すぐ「野球がやりたい」と告げた。「1球1球に球場が沸いて、こういう所でやりたいという夢を持った。自分も将来、夢や希望、感動を与えられる人になりたいと思った」。7月の南大会後、「ずっと目指していたこと。勝負してみよう」とプロ志望届提出を決めた。

 中学進学の際は、元プロ選手の教えに憧れ、遠軽の親元を離れることを決意した。元ヤクルトの高梨利洋氏が代表を務める札幌のクラブチーム「T・TBC」でプレー。中学には札幌の友人宅で下宿生活しながら通った。札幌日大では「マウンド上で気持ちを投球で出せるようになった」と強気なスタイルを身に着けた。夢を追い求め、最良の道を模索して、複数球団から調査書が届く場所までたどり着いた。「打者をねじ伏せるような、気持ちで戦える投手になりたい」と上の舞台を思い描いた。

 身長185センチから繰り出す最速は147キロ。南大会は疲労で体重が76キロから3キロ減る中も、決勝まで全4試合を投げた。「親だったり、指導者、友だちなどに喜んでもらえるから、野球を続けて来られた。それが職業にできれば」。様々な人への感謝を胸に、前川が天命を待つ。(砂田 秀人)

 ◆前川 佳央(まえかわ・よしひさ)2003年6月5日、遠軽町生まれ。18歳。遠軽丸瀬布小1年から、遠軽北少年団で野球を始める。札幌東月寒中時はクラブチーム「T・TBC」でプレー。札幌日大では今春の道大会で優勝、夏は南大会準優勝。ポジションは小学校から投手一筋。持ち球は直球、カーブ、スライダー、フォーク、チェンジアップ。遠投は115メートル。185センチ、76キロ。右投右打。家族は両親と弟、妹。

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