◆JERAセ・リーグ DeNA0―2阪神(6日・横浜)
阪神が最近4試合で3度目の完封勝ち。今季3度目の5連勝でCS進出を決めた。4回に3試合ぶりの先発出場となったロハスが右中間席へ先制の7号2ラン。結果的にこの一発が決勝点となった。先発の西勇は6回7安打無失点の粘投で6勝目。要所を締めて3試合ぶりの白星を挙げた。スポーツ報知野球評論家の金村義明氏は、5連勝の中でも浮き彫りになった課題を指摘した。
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相手が下位のDeNAではあったが、先発の西勇はストライクが先行し、状態が上向いていると感じた。良かったのは、先頭打者を出しても粘って、先制点をやらなかったこと。とにかく、下位相手の取りこぼしを防ぐには、先に点を奪って“戦意喪失”させることだ。目標を失ったチームは、先制されるとあきらめが早く、淡泊な試合運びになりやすい。
一方、5連勝とはいえ、攻撃面では課題が浮き彫りになった。この日も4回のロハスの2ランで勝ったものの、その後は毎回のようにチャンスをつくりながら追加点を奪えなかった。8回には佐藤輝の代打で島田が送りバント、続く梅野はセーフティースクイズを試みた(結果は失敗)が、これも現状では当然の策だろう。梅野は明らかに調子を落としているし、佐藤輝も前日にタイムリーを打ったとはいえ、本来の打撃にはほど遠い。
打開策としては、残り試合は勝負所で好調の選手をどんどん代打で使っていくことだろう。とにかくこの時期、V争いしているチームにとって大事なのは、内容ではなく結果。現在のチーム状態はヤクルトの方が上だが、阪神の積極的なベンチワークに期待したい。(金村義明=スポーツ報知評論家)