◆JERAセ・リーグ ヤクルト3―2巨人(5日、神宮)
巨人が首位ヤクルトとの3連戦初戦を追撃及ばず落とした。3点を追う打線は5回に大城、6回には坂本のタイムリーで反撃したものの2得点にとどまった。4番の岡本和は4打数無安打と沈黙。9試合連続で本塁打が出ておらず、打点もなし。これで首位とは6・5差。2位阪神とも5・5差に開いた。残り14試合。逆転Vへ、頼む! 岡本!
惜しくもあと一本が出なかった。1点を追う9回2死二、三塁、デラロサの代打・ウィーラーは一塁線付近の力ない投ゴロ。マクガフにタッチされてゲームセットとなった。歓喜の一塁ベンチを背に、原監督は真っすぐ前を向いて三塁ファウルグラウンドを歩き、クラブハウスに引き揚げた。直接対決3連戦初戦で痛恨の黒星。首位ヤクルトと6・5ゲーム差に広がった。
「そこはもう、現実は現実でしょうけれどもね。まあしかし、明日のゲームという部分でしょうね。それにベストを尽くすということです」
4番が歯を食いしばり、もがいている。0―1と1点を追う4回2死二塁、岡本和が空振り三振。坂本の適時二塁打で2―3と1点差に追い上げた直後の6回1死二塁は、初球で中飛に倒れた。4打数無安打で13打席連続無安打。9月24日の阪神戦(東京D)で一発を打ったのを最後に9試合本塁打、打点がない。その間9戦28打数2安打、打率7分1厘となっている。
開幕から全て4番で全試合出場、リーグ2冠の38本、106打点。何度も巨人を救ってきただけに、責めるわけにはいかないが、チームが苦しい今、快音が出ればベンチの雰囲気は変わるだろう。この日、相手4番の村上が一塁にヘッドスライディングして併殺崩れの打点をもぎ取ったように、岡本和もプレーで流れを変える力を持った選手だ。下を向かず、堂々と戦っている姿を仲間は見ている。ここが踏ん張りどころだ。
練習中に直接指導するなど助言を送っている原監督は「このところ、なかなかね。一生懸命やってるけどね。いいところで結果が出ればね。それが良薬なんでしょうけどね」と期待を込めて話した。
この日から、阿部2軍監督が1軍作戦コーチに配置転換となってベンチ入り。攻撃中は、原監督のサインを三塁コーチに送る役割を担った。岡本和について聞かれると「追い込んでから投げミスがないのが1軍。それを打つ難しさはみんな感じているはず。そこを乗り越えていければ」と話した。現役時代の巨人の4番としての豊富な経験を伝える役割も期待される。
2位・阪神とも5・5差に開いた。それでも残り14試合ある。可能性がある限り、原巨人は逆転優勝を目指してベストを尽くす。(片岡 優帆)