閉塞感に包まれたコロナ禍の日本 清涼剤となった大谷翔平の活躍…古参記者から「ありがとう」を贈りたい

スポーツ報知
大谷翔平

 1995年の野茂英雄投手渡米からメジャー担当として日本人選手のプレーを見続けているが、今年の大谷翔平くらい一挙手一投足を緊張感とともに見続けたシーズンはなかった。

 自宅で見る際には正座して見るのが通例になるほどだった。松井秀喜もシーズンで31本打った年があったが、飛距離を考慮すれば、大谷との差は大きい。一番感じた事は、「行った」と思った打球がフェンス前で失速するケースが少なくなかった松井に対して、「それで入るのか」と驚嘆させられるのが大谷の一発だった。

 少年時代に遊びと言えば野球で育ってきた我々の年代はそろって還暦を超え、年金生活者がほとんどになってきた。シニア世代は時候の挨拶のように、朝になると「大谷、打つかな」「昨日も打ったね」と彼の話題で持ちきりになった。日本人メジャー選手の活躍がここまで「生活の一部」となったのは初めてだろう。大谷の存在は、コロナ禍で閉塞(へいそく)感に包まれた日本で、一服の清涼剤となっていた。

 野茂の快投やイチローの安打量産も素晴らしかったが、王貞治の全盛時を見てきた世代にとってはやはり、本塁打こそ野球の華。それも毎試合のように打つのではないかと可能性を秘めている大谷に魅了されるのは当然だろう。

 今年1シーズン、大きな故障も無く過ごしたことに尽きるが、オフにケアを怠らず来年こそ10勝をクリアして、1918年ベーブ・ルース以来の記録をマークして欲しいものである。本人も望むように、ポストシーズンで「投げ、打ち、走る」大谷も見たい。この1年、本当にお疲れ様。そしてありがとう。

 蛭間 豊章(ベースボール・アナリスト)

野球

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請