【有森裕子の本音】パラスポーツが盛り上がる中、火を消さぬための「何か」 

スポーツ報知
有森裕子

 東京五輪・パラリンピックが終了して1か月がたちました。今、感じているのは「過去の大会と比べて『祭りの後の感情の浸り』がない」ということです。

 テレビ番組にメダリストがゲスト出演するのは従来もありましたが、アスリート個人が次なる“仕事の場”に既に戻り、目標に向けて始動、海外も含め別の大会に参戦する様子が、自身のSNS等で発信されているのが多く見られるように感じます。これは、今までなかったことかと思います。

 その傾向は、特にパラアスリートに目立っているように感じます。今回は自国開催ということで競技中継が今までよりは充実していました。パラスポーツを知り、興味を持ち、楽しむきっかけになったと思いますし、パラアスリートに注目することも増え、大会後の未来の活躍にも関心が高まったかと思います。選手自身もそれが励みになっているのではないでしょうか。

 そんな流れの中、今秋に開催予定だった三重国体が中止されたのは残念でした。これは、同時開催される全国障害者スポーツ大会が実施されないことを意味します。もちろん、新型コロナの影響によるさまざまな角度からの判断、決定は仕方ないかもしれませんが、せっかくパラスポーツが盛り上がりを見せている今、その火を消さないためにアイデアをひねり、別の形で「何か」を行うことができたのでは…という思いもあります。

 例えば、五輪・パラリンピック選手と今大会に出場予定だった選手とのオンラインでの交流などです。オンラインだから可能なこともあると思いますし、五輪・パラリンピックで得た知見、アイデアを生かすことができるのではないか…。

 現在、各競技団体では五輪・パラリンピックの総括が行われています。その中で、私自身も「今だからできることは何かないのか?」を考え、自分が関わっている組織等に提案をしていきたいと思っています。(女子マラソン五輪メダリスト・有森裕子)

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