【凱旋門賞能力分析】日本馬のライバル馬を海外競馬通・成田幸穂が分析

スポーツ報知
クロノジェネシス

 G1凱旋門賞が10月3日に迫った。タルナワ(牝5歳、愛・ウェルド厩舎)についてはステップレース分析をご覧いただくとして、小欄ではその他の有力馬をチェックしたい。

 アダイヤー(牡3歳、英・アップルビー厩舎)は6月のG1英ダービー(芝12ハロン6ヤード)を制覇。当時は単勝17倍の7番人気と低評価ながら、直線内ラチ沿いから豪快に伸びて4馬身半差の圧勝だった。続く7月の英G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(芝11ハロン211ヤード)も好位から抜け出し、古馬の強豪ミシュリフやラブを破ってG1連勝。ガリレオ以来20年ぶりにG1英ダービーと“キングジョージ”の同一年制覇を果たした。

 1971年ミルリーフ、1995年ラムタラに次いで英ダービー、“キングジョージ”、凱旋門賞の同一年制覇が懸かるアダイヤーだが、今回は“キングジョージ”以来の実戦となる。予定していた9月の仏G2ニエル賞を後肢の感染症により回避しており、その影響がどの程度あるのか見極めが難しい。

 アダイヤーと同馬主、同厩舎のハリケーンレーン(牡3歳)は7戦6勝。G1英ダービーこそ両前の落鉄も影響してか3着に敗れたが、その後はG1愛ダービー(芝12ハロン)、G1パリ大賞(芝2400メートル)、G1英セントレジャー(芝14ハロン115ヤード)とG1を3連勝している。G1凱旋門賞と同競馬場、同距離のG1パリ大賞では重馬場ながら6馬身差の快勝を収めて、コースと道悪への高い適性を示した。往年の名馬ニジンスキー(英三冠馬。1970年の凱旋門賞2着)でさえ逃した英セントレジャーと凱旋門賞の同一年制覇なるかが注目される。

 スノーフォール(牝3歳、愛・Aオブライエン厩舎)は、ディープインパクトを父に持つ日本産馬。G1英オークス(芝12ハロン6ヤード)、G1愛オークス(芝12ハロン)、英G1ヨークシャーオークス(芝11ハロン188ヤード)とG1・3連勝の活躍は当ホームページ読者の方々もご承知のことだろう。

 衝撃的だったのはやはり6月のG1英オークス。同レース史上最大の16馬身差での大楽勝と、能力の高さには驚くばかりだ。自身の上がり3ハロンがメンバー中最速の35秒48で、2位の馬より約3秒も速い豪脚を使った。当時は稍重馬場で、道悪を苦にしない点も強調材料と言える。前走9月の仏G1ヴェルメイユ賞では中団やや後ろの5番手に位置し、差し届かずの2着。スローペースで展開が向かなかったことを思えば、上がり600メートルが出走メンバー中最速の34秒16と、鋭い伸びを見せた内容は本番へ向けて悲観するものではない。

 ラブ(牝4歳、愛・Aオブライエン厩舎)は昨年の欧州最優秀3歳牝馬。昨年のG1凱旋門賞では馬場悪化を理由に回避しており、良馬場向きと見るのが筋だろう。しかし今回、週末の雨予報にも関わらず出走を決めたことが何とも不気味だ。確かに稍重馬場で3戦3敗だが、それは2歳時の話で、現在のラブにも当てはめていいのか分からない。道悪をこなすようなら、昨年のG1英オークスを9馬身差で制するなど12ハロン(2400メートル)戦の実績があるだけに侮れない存在となる。

 クロノジェネシス(牝5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)は3月のG1ドバイシーマクラシックで強敵ミシュリフを相手にクビ差2着。今回のメンバーに入っても実力的に引けは取らない。課題は6月のG1宝塚記念以来の休み明けであることに尽きる。一方、ディープボンド(牡4歳、栗東・大久保龍志厩舎)は前哨戦の仏G2フォワ賞(芝2400メートル)を鮮やかに逃げ切った。この臨戦過程には好感が持てる。

◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。10月3日(日)22時30分から放送されるラジオNIKKEI第1「凱旋門賞実況中継」に出演予定。

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