【高校野球】夏に「衝撃の敗戦」を喫した福島・聖光学院が、驚きの復活V

スポーツ報知
秋季福島県北支部大会決勝で選手に指示を出す聖光学院の斎藤監督(左から2人目)

 そのニュースは高校野球ファンにとっても、衝撃だったのではないか。今年の夏の福島県大会。歴代最多となる14大会連続での甲子園出場を狙っていた聖光学院が敗れた。準々決勝で光南に1―5。2007年から13年連続で福島大会で優勝し甲子園に出場(昨夏は中止)していた名門校が、準決勝にも進めなかった。

 その結末は、1999年秋から同校を指揮する斎藤智也監督にとっても「衝撃」だったという。今月上旬、単独で話を聞く機会を得た。夏の敗戦について聞くと、こう答えた。

 「一番いいチーム作りしている自負がある。全体のチームワークを見て、今年はある程度は負けないだろうな。今年は近年の中でも一番手応えがあった。14連覇なんて意識してなかったけど、そういうチームで負けたのが俺の中でも衝撃だった」。

 その答えは、記者にとっても驚きだった。高校野球の取材では、監督が本音を話さないことも珍しくない。「名将」と呼ばれるような監督なら、なおさらだ。実は、斎藤監督を取材したことは数えるほどしかなかった。前人未到の13連覇を達成した指揮官が、ほとんど面識がない記者に心情を明かしてくれたことはありがたかった。

 話を聞いたのは9月2日。秋季県北支部大会準決勝で福島西に14―0で5回コールド勝ちした後のことだった。秋季県大会に向けての意気込みを聞くと「まだ今のチームでは東北では勝てないかな。未熟だと思う。秋は、一気には変わらない。どれだけ、精神力でカバーできるか」と語っていた。その口ぶりから想像するに、県大会では簡単には勝てないのではないか、とも思った。

 しかし、だ。やはり聖光学院は強かった。2、3回戦を突破すると、4回戦では光南に5―1で勝利。夏の雪辱を果たすと、続く日大東北との準々決勝には2―1で競り勝った。夏の福島王者を撃破すると、準決勝ではいわき光洋に7―0で8回コールド勝ち。3年ぶりに東北大会の出場権を獲得した。決勝では東日本国際大昌平を3―1で下し、3年ぶり15度目の優勝を果たした。

 鮮やかな復活Vに、驚いた人もいただろう。ただ、夏の福島で13連覇を果たした指揮官の経歴を考えれば、驚くことではないのかもしれない。

 14連覇を逃したことについて「それが本当に日本一に駆け上がるための苦しみだと思えば、それでいい」とも語っていた斎藤監督。目指すのは、春夏を通じて東北勢初となる甲子園制覇。東北6県にとって“衝撃のニュース”をもたらすまで、その歩みを決して止めないだろう。夏の連覇こそ途切れたが、その戦いぶりを楽しみにしたい。(東北支局・高橋 宏磁)

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