漫画家さいとう・たかをさんが膵臓がんのため84歳で死去、代表作「ゴルゴ13」は202巻、連載は続行

スポーツ報知
2018年8月「ゴルゴ13」特別展を訪れた、さいとう・たかをさん

 漫画「ゴルゴ13」の作者として知られる漫画家のさいとう・たかを(本名・斉藤隆夫)さんが24日午前10時42分、膵臓がんのため死去した。84歳だった。葬儀は親族のみで執り行った。

 少年漫画とは一線を画す「劇画」で人気となり、1968年に「ゴルゴ13」の連載を開始。無敵のスナイパーが活躍する同作は以来、半世紀以上にわたりファンを楽しませてきた。今年9月には202巻が発売されていた。同作が掲載されている漫画誌「ビッグコミック」を発行する小学館によると、さいとうさんの遺志のもと、今後もスタッフと編集部が協力のうえ、連載は継続されるという。

 大阪市内で理容師として働いていたさいとうさんは、「漫画の神様」手塚治虫さんの「新宝島」を読んで衝撃を受け、漫画家を志すように。だが、進んだ方向は別だった。少年少女向けの柔らかいタッチの漫画ではなく、より写実的な大人向け漫画。後に「劇画」としてジャンルが確立される作品で、当時流行していた貸本業界での人気を集めるようになった。

 漫画家として独立後に上京。60年に「さいとうプロダクション」を設立し漫画業界に新たな”ビジネスモデル”を導入する先鞭(せんべん)をつけた。当時の漫画家はストーリー作りからキャラクター、背景の仕上げまでのほとんどを一人で行うことが多かったが、さいとうさんは映画製作を参考に分業制を導入。このため、後に「『ゴルゴ13』では、さいとうさんは眉と目だけを描いている」と、まことしやかに言われることもあった。

 「ライフワーク」ともいえる「ゴルゴ13」の連載がスタートしたのは、68年10月。国籍・年齢ともに不明で、あらゆる武器と言語に精通している完全無欠のスナイパー、コードネーム・ゴルゴ13が主人公の同作は、描かれた時代の国際情勢や流行、文化などが巧みに取り入れられた。さいとうさんの”元職場”である理髪店やラーメン店などに置かれていたことも後押しして、幅広い世代に読まれた。

 作品の内容から政治の世界で注目されることも。2004年には、国会で当時財務相だった谷垣禎一氏が、日本の為替介入をテーマにしたエピソードに関し、答弁で「今の立場を離れて読めば面白い」と言及。海外の通信社が配信し、話題となった。また、漫画好きで知られる麻生太郎元首相はファンを自称。2017年には、外務省が海外に進出する企業向けとして、ゴルゴ13が登場する安全マニュアルの漫画や動画が制作された。

 同作は連載開始以降、1号も欠かさず掲載されてきたが、2020年5月に52年目にして初の休載が決定。10人以上のスタッフが1か所に集まって作画作業を行うことで、新型コロナウイルス感染リスクが高まることに配慮してのものだった。さいとうさんの死により、「ゴルゴ13」は未完に。一時は「最終話はすでに完成していて、金庫にしまってある」といううわさもあったが、さいとうさん自身が「私の頭の中にある」と否定。”ラストミッション”は永久に分からなくなってしまった。

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