横浜FMのDF岩田智輝が28日、横浜市内で行われた練習後のオンライン取材に応じた。
今季大分から加入し、本職が右サイドバックでありながらシーズン前半はボランチに挑戦。対人の強さなどを武器に守備的MFとして主力まで上り詰めた。現在はセンターバック(CB)としての進化真っ最中だ。攻撃サッカーを貫くチームでは高くラインを押し上げるなどタスクが多く、それに伴う速攻対策も徹底しなければならない。「攻撃のとき、相手コートでサッカーしているときのリスク管理は大事で、難しい。いかに相手の攻撃の芽をつめるかはマリノスのサッカーの強み。周りを動かしつつ、自分も相手の攻撃を止めたい」とDFチアゴマルチンスらセンターバックの”大先輩”からも学びを受けている。
18日の名古屋戦では自らのパスを自陣で奪われ、痛恨の失点。先月末にDF畠中槙之輔が負傷離脱してからの3試合はいずれも得点を許しており「自分のせいでもあるし、悔しい気持ちしかない」と表情にも悔しさがにじんだ。「先制されて苦しい展開で、追いかける状況になってしまっている。試合を通して先制するか、先制されないかはDFラインとしてこれからの試合で大事」とここ数試合の課題として多くの選手が口にしたことを、岩田自身も痛感している。
それでも多くのCBが通ってきたいばらの道を、成長の糧にするべく前向きだ。「このポジションがもっとできるようになれば、選手としての幅も広がる」と日々の練習や試合で多くを吸収するたびに感じるのは「やりがい」。この日のトレーニングでは紅白戦を実施した。左利きCBとして同じくレベルアップの最中にあり、出場機会を狙うDF角田涼太朗がチアゴの隣に入るなど、競争相手の追い上げもある。その中で「安心できるCBになれるようにもっともっと強さだったり、判断の早さ、良さを上げていかないといけない」と絶対的な存在を目指す。
10月1日はアウェー・湘南戦。「DFラインに入ったからには周りとも一緒にコミュニケーションを取って0で抑える意識を強く持っていかないと」。2年ぶりのリーグ制覇へ、もう一つも負けることはできない。今季15度目の完封で、3試合ぶりの白星を必ずつかみ取る。