報知指定釣店で大物を釣ったり、数釣りをしたりした人を紹介する「今月のトップさん」。9月は各地で釣果が好調だった。その中から葉山あぶずり港の報知指定・長三朗丸でコマセ釣り船で63キロのキハダを上げた人や、外房外川港・同大盛丸でヒラメを15尾も釣った人を紹介する。
長三朗丸のキハダ船で15日、63キロが上がった。釣ったのは、横須賀市の中尾博志さん(50)だ。8年前から夏はキハダを狙い続け、40キロ台だった自己記録を一気に更新した。
この日、葉山沖へ出た長三朗丸はキハダの群れを追うのではなく、タナ(魚の泳層)を水面下50メートルに合わせ、群れを待つ「流し釣り」で狙った。しかし、前半はアタリが出なかった。「後半はハリスの長さを18号6メートルから10メートルに替え、コマセカゴから付け餌を離すようにしました」と中尾さんは明かした。
これが功を奏したのか、仕掛けがなじむと同時に明確なアタリがあった。ドラグは3キロほどと弱めに設定していた。そのため、道糸は引き出されていった。「弱めのドラグ設定でハリスを魚の口の中から引き出し、口元にハリ掛かりさせました」と中尾さん。
引きは全く衰えない。気がつけば道糸は288メートルも引き出された。魚のスピードが遅くなったところで反撃開始。ドラグを締めてリールを巻き始めた。栗飯原有詞船長は、船で魚を追ってアシストした。電動で巻き上げ、残り150メートルまでこぎつけた。しかし、ここから魚は動かず道糸を5メートル巻いても、また5メートル出される一進一退状態。「まるで大きな石か岩を引き上げているかのように感じられました」と振り返った。
ここで手巻きと電動を併用して少しずつ魚を弱らせる作戦に出た。この攻防が5分ほど続いたところで魚の頭に掛けてエラを閉じ、酸欠するためマグロリングを投入。これが効いたのか、魚の動きが鈍った。強引に巻き上げを再開、残り30メートルを切ると今度は栗飯原船長が手でたぐりで寄せた。
水面下に現れたキハダの大きさに目を見張った。「50キロ級は予想していましたが、今まで上げた魚のふたまわり以上も大きく、半端ない大きさでした。3人でどうにか船上へ引き上げました」と中尾さん。エラと内臓、尾びれを取り、220リットル入りの大型クーラーボックスに氷詰めにした。「10日ほど熟成させてから友人や知人たちと分けます」と話した。(田中 清)
◆めも キハダ・本ガツオ釣りの近況、問い合わせは、あぶずり港長三朗丸(TEL090・3349・4882、HP参照)。コマセ釣り船の料金は餌付き、氷別で1万3500円。要予約。午前5時集合。
報知指定釣店で大物を釣ったり、数釣りをしたりした人を紹介する「今月のトップさん」。9月は各地で釣果が好調だった。その中から葉山あぶずり港の報知指定・長三朗丸でコマセ釣り船で63キロのキハダを上げた人や、外房外川港・同大盛丸でヒラメを15尾も釣った人を紹介する。
好調が続く外房のヒラメ釣り。外川沖では15日に八街市の安部浩さん(59)が1・5キロを筆頭に15尾の大釣りをした。この日は水深30メートルを狙った。序盤からヒラメからのアタリが続き、次々と取り込まれていた。そんな中、安部さんは最初の1尾をバラすと、その後は合わせのタイミングがずれて、釣れずにいた。
そこで上田隆広船長に聞くと「合わせを早くしたほうが掛かるようだよ。夏のヒラメは飛びつくように一口で食ってくるからね」と返ってきた。「最初の魚をバラしてから慎重になってしまっていたんですね」と安部さんは反省した。
早めの合わせを心がけ、仕掛けを海底から1メートルほど上げて高めのタナで待つようにすると、すぐに結果は出た。ゴツゴツというアタリの後、グンと引き込んだ時に、すかさず竿を立てて合わせを入れた。「一発でハリに乗せられました。まずは1尾目を掛け安心しました」と安部さん。
ここから快進撃が始まった。仕掛けを入れればアタリがあり、3尾連続でヒラメをゲット。しかし、安部さんの脳裏に不安がよぎった。餌のイワシのことだ。釣り人1人に割り当てられるイワシは20尾。これだけアタリが多いと餌のロスも多くなる。そこで、ヒラメにかじられて死んだイワシをハリに付けた。
ところが泳がないイワシにもヒラメが食ってきた。“餌問題”も解決して、安部さんは数を伸ばしていった。終わってみれば15尾でトップに。「夏のヒラメは活性が高く、数釣りが楽しめるのが魅力ですね。大型も狙いたいです」と早くも次の釣行に思いをはせていた。
◆めも ヒラメ釣りの近況、乗合船は外川港大盛丸(TEL0479・23・3362、ホームページ参照)。乗合船は午前4時30分集合。料金は生きイワシ餌、氷つきで1万3000円。港に駐車スペースあり。